zakzak

記事詳細

ホルムズ海峡の有志連合は参院選の争点にふさわしい 各政党は参加か単独か静観か見解を

 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長が、ホルムズ海峡などで船舶の安全を確保する有志連合を結成する考えを示した。日本政府にも協力を打診したと報じられているが、日本は現在の法律でどのような協力が可能なのか。さらに踏み込んだ対応が必要になるのか。

 参院選の争点がボケている中、格好の外交・安全保障上の問題が降ってきた。

 先日、安倍晋三首相がイランを訪問し、最高指導者ハメネイ師との会談中に起こった日本関連のタンカー襲撃事件は、日本への警告だと筆者は認識している。米国はイランの仕業だと言うが、少なくとも米軍は、タンカーが襲撃される光景を上空から見ていたわけで、もし米国関連の船なら、警告をしていたはずだ。米国も「傍観していた」という意味で、日本へ警告を送ったとみていいのではないか。

 ホルムズ海峡は、日本のエネルギーの生命線である。トランプ米大統領は、「日本も自国でシーレーン(海上交通路)を守ったらどうか」という。今回の米国からの有志連合への参加打診も、その延長線だろう。

 これが国際政治のリアルな世界だ。2015年9月に成立した安全保障法制では、ホルムズ海峡での機雷掃海が、集団的自衛権の例として出ていた。

 そこで審議された要件はかなり厳格で、現状のような事態では、要件を満たしていないといわれるだろう。であれば、法改正をすべきかどうかが焦点になってくる。

 現行法では、自衛隊法による海上警備行動もありえる。しかし、これでは、日本に関係のある船舶は守れるが、外国の船は守れない。海賊対処法では、外国船舶も護衛できるが、海上警備行動と同様な行動制約がある。

 こうした現行法制上の問題を考えると、特別措置法での対応というのもありえる。

 ただし、何らかの形で米国主導の有志連合に参加した場合、イランとの関係が悪化する懸念はある。となると、有志連合に加わらずに単独警備という選択肢も出てくるだろう。

 今の米国とイランの問題は深刻だ。この状態は1990年代中ごろの北朝鮮の核問題に似ている。米朝は開戦一歩手前までいったが、結果として米朝枠組み合意ができた。

 しかし、その後の歴史をみれば、北朝鮮が抜け駆けして、今では北朝鮮は事実上の核保有国になった。このままでいけば、イランも同じ道をたどるかもしれない。

 北朝鮮の時には、米国は具体的な北朝鮮攻撃も考えていたが、今のイランにも同じように考えている可能性もある。そうでなくとも、偶発的な両国の衝突の可能性は少なくない。

 となると、今回の有志連合への打診は、国政選挙に最もふさわしい「リトマス試験紙」になる。有志連合、単独警備、静観の三択またはこれらの複合対策がある。これについて投開票日までに各政党の見解を聞いてみたいものだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース

アクセスランキング