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韓国「ホワイト国」除外の影響は? 迂回輸入の手口もふさがれ…海外企業の撤退もあり得る

 日本は韓国に対する輸出管理を見直し、8月には「ホワイト国」から除外する予定だ。これが韓国経済に短期的、中長期的にどのような影響を与えるのか。日本にも悪影響は出るのだろうか。

 ホワイト国から除外されると、輸出について「包括許可」から「個別許可」になる。客観要件の「需要者確認」は時間がかかるために、許可までに要する時間は、事実上、日本政府の裁量次第となるだろう。

 韓国側の懸念は、どのような品目が個別許可になるかであろう。経済産業省がホームページで掲げている懸念の強い貨物例(監視品目)は40種類だ。数値制御工作機械▽大型発電機▽放射線測定器▽人造黒鉛▽大型トラック▽遠心分離機▽耐食性各種機器が代表例だ。

 経産省は、大量破壊兵器等の開発等への関与が懸念される企業・組織を示す「外国ユーザーリスト」を掲載、公表している。アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、北朝鮮、シリア、中国、パキスタンなど13カ国計534社がある。

 前出の監視品目が「外国ユーザーリスト」へ間接的にわたるかどうかの審査はかなりの時間を要するだろう。

 いずれにしても、経産省がどのような品目について個別許可を厳格に行うかについては全く分からない。これは韓国メーカーの不確実性を高めて、韓国経済には短期的にも中長期的にも悪影響を及ぼすだろう。

 短期的には、韓国の半導体生産に大した影響はないとする、日本の金融機関系シンクタンクによるリポートも出てきた。既に台湾など海外で生産しているメーカーもあることから、韓国メーカーの半導体生産における在庫がすぐにも枯渇する可能性は少ないとしている。

 先日、来日したサムスン電子副会長も、日本でなければ台湾でも、とばかりにフッ化水素を探しに必死であったが、台湾などの現地生産も日本の本社は経産省による最終承認を得てから生産可能になっているという事実が確認されたという。つまり、経産省による日本企業への管理の中で、現地生産が行われているわけだ。

 こうした点からみても、短期的な影響はないとはいえないのではないか。大手メーカーの幹部が東奔西走するくらいだから、一定の影響は避けられないということではないか。

 実際、韓国政府にも、どのような品目が個別許可対象になるのかという韓国メーカーからの問い合わせが殺到しているようだ。

 中長期的な影響もありえる。韓国は、アジアで唯一の「ホワイト国」であるため、先端素材を扱う企業にとって韓国進出にメリットがあった。しかし、そのメリットもなくなることで、進出企業の韓国撤退もありえるだろう。これは韓国経済全体にとって打撃が大きい。

 もちろん日本企業への悪影響もあり得る。ただ、生産メーカーへの直接的な打撃はあるものの、他の企業に対する不買運動も単発的であり、日本経済全体への悪影響は限定的だろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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