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世界各国で「国防」は崇高な義務! 憲法改正で抑止力を高める

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 憲法改正が具体的な政治日程に上ると、反対勢力はあの手この手で潰しに掛かる。朝日新聞が24日朝刊で「安倍晋三首相に一番力を入れてほしい政策を5択で聞くと、『年金などの社会保障』が38%で最も高く、『憲法改正』の3%が最も低かった」と報じたのは、その典型だ。国民は望んでいないと言いたいのだ。

 もっと過激な反対論はすでに出ている。

 その名も『平和憲法の破壊は許さない-なぜいま、憲法に自衛隊を明記してはならないのか』(日本評論社)という本は、憲法に自衛隊を明記すると「国を守ることが、憲法が認める重要な価値の一つとなる」とし、「その結果、『国防』の名のもとに、思想が統制され、言いたいことが言えず、学問研究や宗教も国防の犠牲になり、国防のために逮捕・勾留される…そのような、自由が抑圧される国へと向かうでしょう。象徴的には徴兵制が可能になります」と、国民の不安を煽る。

 日本以外のほぼ全ての国は、憲法で「国防」を国民の崇高な義務と規定している。イタリア憲法は「祖国の防衛は市民の神聖な義務である」(52条1項)と規定する。前掲書の理屈では、世界のほぼ全国家はみんな統制国家、軍国主義国家ということになる。

 安倍晋三首相が提唱する自衛隊を憲法に明記する改憲案は、侵略戦争の放棄を規定した憲法9条1項、「戦力」の不保持を規定した同条2項をそのままにして、何らかの形で自衛隊を明記するものだ。9条1項、2項は生きるため「自衛隊の任務や権限に変更は生じない」(安倍首相)。この程度の改正であり、統制国家、軍国主義、徴兵制にはなりようがない。

 安倍首相は自衛隊明記の自民党案について、「最善と考えるが、とらわれることなく、柔軟な議論を行っていく」(22日)と述べている。その自民党案だが、「9条の2」を設け、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として…自衛隊を保持する」とする。

 しかし、「妨げず」とすることで「前条」(9条1項・2項)を否定する印象を与え、「9条を空文化させる」との批判を招く。再考が必要だ。単純に「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つため自衛隊を保持する」としてはどうか。

 憲法改正、特に自衛隊明記は安全保障の問題だ。自衛隊の法的根拠を強固にし、憲法上の正統性のある防衛組織にする。こうして抑止力を高めるのだ。反対する理由はどこにあるのか。=おわり

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院政治学研究科博士後期課程退学。専攻は憲法学、思想史。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学教授。教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長など。法制審議会民法(相続関係)部会委員も務めた。著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『公教育再生』(PHP研究所)など多数。

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