zakzak

記事詳細

朝日新聞、米「日韓仲裁」記事の裏… 米国務省の意趣返しか

 朝日新聞(7月31日付夕刊)が1面トップに「トランプ政権強める介入-米軍駐留費『日本は5倍負担を』、日韓仲裁へ『ホワイト国継続を』」の特大見出しを付けて報じた記事が話題となった。同紙は翌8月1日付朝刊にも1面左肩で「日韓仲裁へ米が自制案-『ホワイト国』継続を、資産現金化待って」と続報を放った。

 よほどの自信があると見え、同紙はドナルド・トランプ米政権がコリジョンコース(最終衝突局面)をたどる日韓両国の「仲裁役」を買って出たと断じている。

 その根拠の1つとして、2日にバンコクで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)出席のために同地に向かう機内で、マイク・ポンペオ国務長官が同行記者団にその意向を明らかにしたことを挙げている。

 筆者はまさにその日の昼、外交マターの責任者の政府高官と会食した。

 同高官は「外交チャンネルはもとより、非公式ルートを介しての仲裁申し入れは全くありません」と断定したうえで、以下のように続けた。

 「7月21日に来日したジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、河野太郎外相や谷内正太郎国家安全保障局長と会談した際に、在日米軍駐留費の日本側負担分を現状の5倍に提示したということもありません」

 では、なぜこのような衝撃的な“スクープ”が報じられたのか。朝日報道後のワシントン取材を基にした仮説を紹介する。

 そもそも、国務省はトランプ政権発足間もなくして予算・人員の大幅削減をのまされた経緯があり、ホワイトハウスに遺恨を持っている。

 加えて、鳴り物入りでウォール街から国務長官に迎えられた前エクソンモービル最高経営責任者のレックス・ティラーソン氏が、トランプ大統領のツイート一片で解任されたのだ。

 CIA長官からフォギーボトム(国務省の別称)に長官として乗り込んできたポンペオ氏も人事刷新を断行した。

 筆者の結論は、情報の精度は別にして国務省のリーク、すなわち意趣返しだ。同省の東アジア政策実務責任者であるマーク・ナッパー国務次官補代理が情報源ではないことは間違いない。となると、その下僚ではないか。

 ある意味で、これは官僚制度の疲弊と見るべきだ。日韓関係悪化の理由としても挙げられる。

 朴槿恵(パク・クネ)前政権時に更迭された外務省東北アジア局長が、それを「勲章」に文在寅(ムン・ジェイン)政権で第1外務次官に抜擢(ばってき)された。国際法や貿易管理の基本知識欠如どころではないのだ。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

関連ニュース

アクセスランキング