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カジノに呼び込む舞台装置(1) エンタメや古き街並み…はたまた猫!? カジノ以外の魅力作り

 カジノにはさまざまな人がやってくる。ぼくや片山真さんのように、カジノで遊ぶことが目的の人もいれば、全然そうでない人もいる。ギャンブラーだけをターゲットとするなら、カジノゲームを徹底的に充実させるほか、とりわけ富裕層向けに賭け金総額に応じてキャッシュバックするなど、お得と思わせるプログラムを作ればいい。

 しかし、カジノにやってくるのはコテコテのギャンブラーだけではない。カジノはあくまでサブに過ぎず、主な目的はエンターテインメントや観光という人が年々増えている。つまりカジノ以外にも楽しめることがないと、そのカジノを選んでもらえない時代が近づいているというわけだ。

 まずは前者のエンターテインメントについて。

 これを「舞台装置」として成功したのがラスベガスだ。近年の潮流となっているIR(統合型リゾート)は、呼び名はシンガポール政府の考案だが、中身はラスベガスが始まりだ。

 IRには必ずエンターテインメントを併設し、それがまさに世界トップレベルのものばかり。ギャンブラーの「箸休め」として楽しませるだけでなく、カジノに興味がない人まで集めることに成功した。

 今では「カジノ以外の売り上げ」がカジノのそれを上回るまでになり、端的に言えば、集客のための舞台装置が主役の座を奪ったことになる。

 アジアにもIR型のカジノが増え、こうした傾向になりつつあるが、実際に足を運んだ感想として質も規模もラスベガスにはほど遠い。他国にラスベガス級のものを期待するのは、まだまだ酷なのが現状だ。

 それはカジノ売り上げで世界一となったマカオにも言えること。そんなマカオが人を集めている魅力といえば「街そのもの」だ。マカオには美しい場所がたくさんあり、世界遺産の場所も多い。ラスベガスがエンターテインメントなら、マカオは古くて魅力ある街というわけだ。

 ちょっと歩けば面白そうな場所が次々と現れ、撮影をはじめればキリがない。ギャンブラーはあまり観光をしないが、だからといって朝から晩までテーブルにしがみつき、ひたすらギャンブルだけをやっているというわけでもない。

 ギャンブラーだって人間なので、集中力が途切れることもあるし、負けて心が痛むこともある。そんな時に癒やしてくれるのがマカオの街。

 猫が一役買うこともある。裏通りは猫が多く、どこからともなくやってきて遊んでくれと催促する。腰を下ろすと膝に乗ったりかばんをのぞき込んだり、なかには背中によじ登るものまでいる。気のせいかもしれないが、猫と遊ぶと気分は癒やされ、戦う意欲が蘇る。マカオの街はやはりカジノの舞台装置なのだ。(作家・松井政就)

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