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モスクワの黒いマスクの警官たち

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆様!

 私はこのエッセイを通じて、日本の方々に普通のロシアの人々の生活や風習など、等身大のロシアを知っていただければ、との思いで連載を続けてきましたが、問題が雪崩のように大きくなり、どうしても無視できなくなる瞬間があります。

 今回は、日本でも報道されたモスクワでのデモについてお話しいたします。

 事の発端は、この9月に行われるモスクワ市議選挙で、野党候補者が立候補を排除されたことでした。その事で多くのモスクワ市民が不満を抱いており、デモは数週間前から週末に行われていました。

 そして、8月には6万人を超えるモスクワ市民がデモに参加し、今までに1000人を超える人々が当局に拘束されました。さらに先日、ロシアの他のいくつかの都市とモスクワとの連帯の抗議があり、新たに数十人が拘束されました。

 もちろん、他の都市のデモには温度差があり、私が暮らすエカテリンブルクでは数百人が平和裏にデモを行ったので誰も拘束されていません。

 とにかく、人々は単に話を聞きたいだけです!

 彼らは貴重な意見を必要としています。

 それと共に、私たちの国の市民は、武装した機動隊と無防備な人々に危害を加える黒いマスクの警官たちに怒っています。

 例えば、ある黒いマスクの警官は若い女性の腹部を殴り、さらに頭を強引に押さえつけ車に押し込もうとした結果、彼女は脳震盪を起こしてしまったのですが、その暴力行為の映像が拡散されてしまった黒いマスクの警官は今も隠れており、彼を見つけることはできません。

 恥ずかしい話ですが、それらの警官は私たちの国の同じ市民です。しかし、彼らが黒いマスクを着用すると非人格の暴力装置に変わります。

 そして、モスクワでのすべての抗議デモは、いくつかのイベントやコンサートと一緒に既に3回ほど開催されていましたが、8月10日のコンサートでは一部のミュージシャンたちがコンサートへの参加を拒否しました。

 なぜなら、彼らは抗議の声を上げている人たちが黒いマスクの警官たちの攻撃的な行動に苦しんでいる同じ時に、楽しいエンターテインメントの時間を共有する事に疑問を持ったからです。

 結局、そのコンサートにはあまり多くの人が訪れませんでした。

 私はもちろん自分の国を愛していますが、このような出来事が起きると、時々考えてしまいます。

 “私たち若者の未来はどうなるのだろうか?”と…。

 ■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。

Instagram : https://www.instagram.com/crystalmintmusic/

Website : https://crystalmint.info/

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