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【絶望の韓国軍】文大統領「兵役期間短縮」は若者層“支持”獲得のため? いまだ終らぬ朝鮮戦争、韓国軍の「弱体化」を喜ぶのは…

 朝鮮戦争(1950年~)は、いまだに終わっていない。米軍中心の国連軍と中朝連合軍は53年7月27日、休戦協定に署名した。現在も北緯38度線付近の前線が軍事境界線として認識され、朝鮮半島は南北分断が続いている。地上に残された最後の冷戦地域となっている。

 終戦ではなく休戦状態であることから、名目上は現在も戦時中である。そのため、韓国と北朝鮮、そして、北朝鮮と米国とのあいだで平和条約は締結されていない。

 こうした背景もあって、すべての韓国の成人男性には一定期間、軍隊に所属し、国防の義務を遂行する「兵役」義務(=徴兵制度)が課せられている。徴兵制度は韓国にとって、国防政策の重要な柱の1つでもある。

 兵役は憲法で定められた国民の義務であり、兵役法に基づいて実施される。すべての男性が満18歳から満19歳までの間に徴兵検査(適性検査)を受け、身体・学力の基準に達すると、陸軍、海軍、空軍などに入隊する。良心的兵役拒否は一切認められていない。ただし、文化・スポーツ優秀成績者の兵役免除、徴兵検査不合格や、その年度の予算不足のため免除や短縮勤務となる者もいる。

 除隊後も兵役義務は続き、除隊から8年間は郷土予備軍(予備役)、40歳までは民防衛隊に所属しなければならない。

 韓国軍の現有総兵力は陸海空あわせて約61万8000人。予備役約320万人の体制を維持している。だが、韓国は日本以上に少子化が進んでおり、生産年齢人口は2017年から、総人口も31年から減少を始めるため、22年までに総兵力を50万人に削減する予定だ。

 これにあわせて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の選挙公約だった「兵役期間の短縮」が実行されることになった。陸軍は21カ月から18カ月に、海軍は23カ月から20カ月、空軍は24カ月から22カ月に短縮された。17年に入隊した兵士から段階的に適用されている。

 韓国軍は、今後5年間の国防予算運営計画などを盛り込んだ「2020~24年国防中期計画」で国防費を増やし、兵器の最新化には熱心だが、兵力削減と兵役期間を短縮すれば、何が起きるのか。

 自衛隊にも言えることだが、兵力を削減すれば、交代要員が不足し、一人ひとりが担任する業務が増えて、事故やミスが起こりやすくなる。韓国軍の事故やミスの多さは今に始まったことではないが、さらに増えることは必至だ。海外の軍事専門家のなかには、韓国軍を「ハリボテの軍隊」と評する人もいるぐらいだ。

 韓国の一般国民(=特に若者層)に徴兵制度は人気がない。文氏が若者層の支持を獲得するために兵役期間を短縮したとすれば、韓国の国防政策を自分の人気取りに利用したことになる。韓国軍の「弱体化」を助長する文氏の政策を喜ぶのは誰か。それは、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長だろう。

 ■濱口和久(はまぐち・かずひさ) 1968年、熊本県生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒。陸上自衛隊、栃木市首席政策監などを経て、現在、拓殖大学大学院特任教授・同大学防災教育研究センター長、一般財団法人防災教育推進協会常務理事などを務める。著書・共著に『戦国の城と59人の姫たち』(並木書房)、『日本版 民間防衛』(青林堂)など。

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