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マイクロクレジットの怖さ

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆様!

 マイクロクレジットは、信用情報や担保を持たない失業者や貧困層などの人々に少額の融資をするシステムで、未開発の地域や国を経済的に活性化するのに役立ちます。

 有名なところではバングラデシュのグラミン銀行のように、貧困の女性たちが、その融資によって小さい商売を始める事で収入の道を得て、貧困から脱出できた例などがあります。

 しかし、ロシアでは近年、このマイクロクレジットが大きな社会問題になっています。

 ロシアのマイクロクレジットは1998年の金融危機以来存在しており、2013年以降、急速に増加しています。そのシステムは、1000ルーブル(約1700円)から借りれる小口融資であり、民間金融機関が最低7日間以上の期間で提供しています。

 この10月から政府は最高金利を制限し、1日あたりの金利の上限を1%にする法律を施行させました。

 それまではバス停の近くなどで「すぐお金用意」の看板を出し、年利にして600-720%という数字で貸し出していた商店のような金融業者のほとんども、10月からの法律により貸金業務が出来なくなります。

 それでも今も貸金に対して年利で365%という金利が付きます。

 マイクロクレジットの主な借り手は貧困層ですので、借り手の多くが期限内にローンを返済することができません。

 その場合、委託を受けた信用機関が借り手の親族に圧力をかけ、コレクターと呼ばれる回収業者や執行官を使って貸金を回収していきます。それは時に情け容赦ない取り立てとなり、数多くのトラブルが発生しています。

 私も一度、マイクロクレジットの怖さを垣間見てしまった事があります。

 それは3年ほど前、2日だけ研修で入った救急病煉の当直中の事でした。小雪が舞う薄暗い朝にサイレンを鳴らしながら救急車が病院に滑り込んできました。

 患者は40代の女性で、家で大量の睡眠薬を飲み自殺を図り、意識不明の状態で病院に運び込まれてきました。

 しかし、発見が遅かったこともあり、医師たちの蘇生の甲斐もなく、まもなく女性の心臓は止まってしまいました。

 その数分後、疲れ切った表情の医師は、付き添いで一緒に救急車に乗ってきた、女性の10代後半の娘に母親が死亡したことを伝えました。

 その時、娘は号泣しながら人目もはばからず、こう叫びました。

 “母はあいつらに殺されたんだ!”

 この続きは次回に…。

 ■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。

Instagram : https://www.instagram.com/crystalmintmusic/

Website : https://crystalmint.info/

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