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笠井アナを襲った病魔…気をつけたい“病気とカネ” 早期退職や希望退職募る企業急増も…新しい職場、人間関係、家族からの重圧

 40~50代を中心に、早期退職や希望退職を募る上場企業が急増している。募集に応じた場合、転職活動や、新しい環境への順応を求められるが、そこで注意したいのは「病気」と「金」の問題だ。どのような心配があるのか、専門家に聞いた。

 血液のがんである悪性リンパ腫を公表した元フジテレビの笠井信輔アナ(56)。9月末に32年勤めたフジテレビを定年を待たずに退社したばかりで、フリーとしてテレビ出演や講演など多忙な日々を過ごしていたところを病魔が襲った。

 笠井アナは自身の判断で新天地へ飛び出したが、企業側が働き盛りの世代に退職への道を敷く例も多い。東京商工リサーチのまとめによると、今年1月から11月までの間に早期・希望退職者の募集実施を公表した上場企業は36社で、募集人数は判明分で約1万1300人にのぼる。2018年から企業数・人数ともに約3倍増となり、14年以降で最多の水準となった。

 業種別では電気機器が多く、富士通の2850人、ルネサスエレクトロニクスの約1500人、東芝の1410人、ジャパンディスプレイの1200人と続く。

 業績が不審な企業だけでなく、堅調な業界大手も「先行型」で実施しているのが目立ち、20年以降も実施企業が増える傾向にあるという。

 環境が変わることで、心身に変化が現れたりするものなのか。

 浅川クリニックの浅川雅晴院長は、「早期退職者の対象となる世代は、若者と違い、柔軟に考えることが難しく、新しい人間関係を築くのもストレスになることがある。また新しい職場では、ある程度の仕事ぶりが求められるほか、家族からの重圧もある」と説明する。

 こうした状況で鬱病など心の病を発症する人も少なくないという。

 浅川氏によると、胃痛や頭痛といった症状が出る人もいるが、鬱からくるものとは気付かずに、1年以上も身体科に通ってしまうケースもあるといい、心療内科などを早めに受診するよう勧めている。

 早期・希望退職で割増退職金をもらっても、職探しに時間がかかったり、転職後の収入が下がってしまうことも考えられる。そこで病気になると、医療費の問題もより重大になってくる。

 びとうファイナンシャルサービスのファイナンシャルプランナー、尾藤峰男氏は「一般的には退職後、最長で2年間は前職と同じ健康保険の加入を継続できる制度がある」とした上で、こう指摘する。

 「就職活動をしている期間が長くなれば、その間は国民年金に加入しなければならず、将来的に受け取る年金の額が減ることにもつながる。再就職した場合も、転職先の収入が想定通りになるとは限らず、仕事を続けられるかという不安もある。前職と新しい職場での手当ての差にも注意が必要だ」

 決断する前に、一度立ち止まって考えておいてもよさそうだ。

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