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オオカミに襲われた少年の悲劇

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 広大なロシアでは、都市部であっても車で郊外へしばらく走れば美しい自然に出会えます。しかし、そのような場所で暮らしている住民の中には、まれに、都市部の人々には想像もできないような事態に遭遇することがあります。

 それは数年前にウラル地方の小さな村で起こりました。暗い冬の夜でした。ある家で、母親があちこちに電話をかけまくっていました。普段は午後4時には学校から帰ってくるはずの10歳になる息子が、午後8時になっても家に戻ってこなかったからです。ちなみに、この村には学校がないので、子供たちは学校のある隣村まで毎日何キロも歩いて登校していました。

 初めに母親は学校に電話すると、先生は「あなたの息子さんは午後4時頃に一人で学校を出ました」と答えました。

 次に彼女はすべての隣人に聞いて回りましたが、彼らの子供たちは時間通りに家に帰ってきていました。

 不安な時間が過ぎていく中、深夜になると近所の人々が集まり、少年の捜索が始まりました。

 翌朝早く、捜索に協力していた男性が、村から数キロ離れた森で少年の遺体を発見しました。遺体の損傷はひどく、そばには焚(た)き火のような跡がありましたが、この謎はすぐに解明されました。

 知らせを聞いて現場に駆け付けた母親が、遺体のそばにあった息子のカバンの中から手紙を見つけたからです。その手紙には、息子の字で自分の身に何が起こったかが書かれていました。

 暗い雪道の中、一人で家路を急ぐ少年は背後から何かが尾けていることに気付きました。それはオオカミの群れでした。

 すぐに危険を察知した少年は、そばに干し草の山を見つけると携帯していたマッチで火をおこし、干し草を燃やしました。火を恐れるオオカミたちは、遠くからジッと見ていましたが、その間に少年は母へ向けて手紙を書き残しました。

 「お母さん、ごめんなさい。お母さん、愛してます」

 それは、火が燃え尽きて少年が死に直面する前に書いた最後のフレーズでした…。

 人を襲うことはない、といわれているオオカミですが、この少年の悲劇以外にも人が襲われて亡くなった事例が、こちらでは何度か報告されています。しかし、ロシアでは理由なく野生動物を殺すことは法律によって禁じられています。

 早く解決策が見つかることを願っています。

 ■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。

YouTube : https://www.youtube.com/channel/UC0sottqOcvDqpYRr5AX9PqQ

Website : https://crystalmint.info/

Instagram : https://www.instagram.com/crystalmintmusic/

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