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結婚式にもコロナの影 延期か予定通りか、けんかして破断のケースも 「キャンセル料」訴訟も激増か

 新型コロナウイルス感染の影響で、カップルが挙式を行うかどうかでもめた末に結婚自体が破談になる“コロナ離婚”が起きていることが分かった。数百万円規模の多額のキャンセル料を求められる例もあり、訴訟も続発する可能性があると専門家は予測する。

 あるカップルは3月下旬に都内の最高級ホテルで結婚式を予定していた。ところが、新型コロナの余波で結婚式の中止や延期という情報がSNSなどで目立ち始め、2人も話し合うことに。

 「新婦は『ウエディングドレスを着たい、予定通り式をやりたい』と言い、新郎は会社の上司や同僚を招待する以上、式で感染させてはいけないという思いから『延期したい』と主張。私たちスタッフを前に真っ向からぶつかり、けんかのようになってしまった」(ホテルのブライダル担当者)

 破談の連絡は3月中旬にホテル側に突然来たという。「新婦は『延期ならもう式はやりたくない』と言い、それなら結婚もやめようという話になったそうです」(同)

 このホテルだけで、3月の結婚式のキャンセルは約60件に上るという。

 一方、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会では「世間ではすべての結婚式がキャンセルされているような誤解があるが、実際は3分の2が通常通り、式を挙げている」と分析する。

 3月20日、東京・帝国ホテルで予定通り式を挙げた新婦の父親が代弁する。「結婚は縁だからタイミングが大切。感染症はいつ終息するか分からないので延期の日程設定も難しい。今回はだれも来なくても身内だけでやろうと決めた。実際は新郎新婦の友人たちが全員来てくれ、盛大な式になった」

 記事冒頭のホテルでは新型コロナへの特例措置で、結婚式を来年3月までに延期する人には原則キャンセル料は取らず、5万~10万円ほどの実費のみ請求する方針だ。破談の場合、特例は適用されず、冒頭のカップルには500万円のキャンセル料が発生した。「キャンセル料の方はもめず、きちんと払っていただきました」(前出のブライダル担当者)。

 別の都内のホテルでは式を延期した場合でも花、ウエディングケーキ、司会者、カメラマン、案内状などの発注がかかっていれば料金が発生し、その額は30万~100万円にも達する。日程変更料も請求するというから新郎新婦の負担はかなり大きくなる。

 各種の民事訴訟を手がける中島章智弁護士は「契約書と法律を盾にキャンセル料を請求する結婚式場の方針は間違っていない」と指摘する。

 結婚式の費用をカバーするブライダル保険もあるが、「通常、病気や妊娠で式ができなったときや、災害のときが該当する。今回の新型コロナウイルスが保険契約上、災害に該当するかどうかの判断になる」と中島氏。「個人にとっては300万~500万円規模のキャンセル料は負担が大きく、これからキャンセル料をめぐって民事訴訟がどんどん増える可能性がある」と指摘する。

 中島氏は、裁判では次のようなことが想定されると解説した。

 「仮に裁判で(新型コロナが)天災に相当するという判断が出れば、保険会社は保険金を支払い、式場もキャンセル料の請求が難しくなる。また、消費者が事業者との契約を解除した場合の違約金については、消費者契約法により平均的な損害額を超える部分は無効とされているので、これを根拠に『損害額はそんなに多額ではないはずだ』と主張してキャンセル料の減額を求めることも考えられる」

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