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アイギル村に落ちていたコイン

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 今回は、コロナウイルスの話題から離れて、ウラル地方の神秘的な場所についてお話ししたいと思います。

 その場所はアイギルと呼ばれる人口数十人の村で、南ウラル地方に位置します。

 高校時代の夏のことでした。私たち女子学生40人はアイギル村で開催される2週間のサマーキャンプに参加しました。

 大小の岩山と深い森に囲まれているアイギル村に行く手段は、単線の鉄道しかありません。人気のない駅に降り立ち200メートルほど山道を歩くと、森の中に丸太でできたいくつかのカントリーハウスがあり、そこが私たちの宿泊先でした。

 私たち一行は一息つくと、さっそく村の観光ガイドの案内でアイギル村に伝わるいくつかの逸話を聞きながら森を歩き、山に登り、最後は自然が最も美しく見える場所に連れて行ってもらいました。

 翌日から私たち4人部屋の女子全員は日課として朝食前に森の中をジョギングし、途中にある流れの早い川の冷たい天然水でのどを潤してから、宿に戻るルーティンを開始しました。

 数日後、いつものように朝のジョギング中に川でのどを潤そうとした私は川岸の底で何かが光っていることに気付きました。

 近づいてみると、それは銀の小片でこれまで見たことのない奇妙なコインでした。

 その時一瞬、私はそれが何なのか拾って確かめてみたい衝動に駆られたのですが、小さい頃に両親から「道に落ちているお金を拾うのは良くない」と迷信のように言われたことを思い出して、その場は立ち去りました。

 しかし、コインとともにこの地域に伝わるある伝説のことが一日中頭から離れなかったので、翌朝のジョギング中に再び川岸をのぞいてみましたが、同じ場所にコインはありませんでした。

 その夜、皆が寝静まった深夜に、私は遠くから聞こえてくる奇妙な音で目を覚ましました。

 窓に近づき外を眺めると、月の光に照らされたアイギルの森のどこかから、カチッカチッという金属系のノッキング音を連想させるノイズがしばしば聞こえてきます。

 その時、ノイズの噂と朝のコインの出来事を思い出した私は窓のそばで固まってしまいました。なぜなら、初日に村を案内をしてくれた観光ガイドから「ノイズが発せられるときは音の近くに古代の部族チャドがいるかもしれない」という逸話を聞いていたからです。

 この続きは次回に…。

 ■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)

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