【プーチンの国より愛を込めて】「前世」の夢を見る少女 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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「前世」の夢を見る少女

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!

 あなたは輪廻(りんね)転生を信じますか?

 今回は私が数年前に経験した救急隊員の研修中に隊員のヴィクトルから聞いた不思議なお話です。

 ある年の夜中、緊急コールを受けたヴィクトルたち隊員が通報のあったアパートの部屋に入ると、ベッドの上で手足をバタバタさせながら苦しそうにしている少女の姿が目に入りました。

 隊員たちは、狼狽(ろうばい)する母親の前で発作を起こしている少女をストレッチャーに乗せて救急車を発進させました。その車中、ヴィクトルが酸素呼吸器を少女の口に当てようとしたとき、彼女の首筋に一瞬奇妙なタトゥーのようなものが浮かびあがり、まもなく消えたそうです。

 付き添いで救急車に同乗してきた少女の母親はヴィクトルに言いました。

 「最近、夜中に寝ている娘が時々発作を起こすようになったんです。発作中は、まるで溺れているかのように手足をバタバタさせるんです。今夜はその発作がずっと続いて呼吸するのも困難に見えたので、こうして救急車に来てもらったんです」

 そんな会話をしているうちに救急車は病院に着き、ヴィクトルたちは待ち構えていた医師に患者を渡しました。

 数日後、別の患者を病院に搬送したヴィクトルは、先日搬送した少女を診た医師を見かけたので、その後の彼女の容体について尋ねてみると、医師は不思議な笑みを浮かべながら答えました。

 「あの後すぐに応急処置と鎮静剤を打ったら静かになって眠ってくれたよ。症状自体はひどくなくて3日で退院したんだ」

 「だけど、あの患者は変わってた」と医師は話を続け、翌朝意識が戻った少女が発作に見舞われたときに見る夢の内容を彼に話したときのことを語り始めました。

 「私は夢の中で大きな木造船の男の船員だった。その時の甲板の匂いさえも覚えてる」

 「でも次は航海中に突然激しい嵐に襲われるシーンだった。沈みゆく船の上でがんばったけど 仲間は次々と海のかなたに消えていって、ついに自分も…その直前、彼の家族や妻子の姿が高速で映し出されるの」

 「私は彼らの顔をどこかで覚えていた。以前私はそこにいて彼の人生を生きてきたのかもしれない」

 少女はそう一気に話すと、すすり泣きながらロシア人名ではない名前を叫んだそうです。

 最後にヴィクトルは私に言いました。

 「僕もあの時、確かに見たんだ。あのタトゥーに描かれてた文字は象形文字みたいで明らかにロシアの文字じゃなかった」

 その後の彼女の噂を聞いた者は誰もいません…。

 ■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザーTAMAKIと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)

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