【日本の解き方】コロナ防止と経済は両立可能だ 休業補償を含め20兆円必要だが…国債の日銀購入で財政は悪化せず - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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コロナ防止と経済は両立可能だ 休業補償を含め20兆円必要だが…国債の日銀購入で財政は悪化せず

 新型コロナウイルスの感染「第2波」は既に来ている。PCR検査数の増加もいくらか貢献しているのは事実であるが、第1波が過ぎ去った6月中旬と現在のPCR検査水準を比べても、若干の増加であり、陽性率が急激に上昇しているので、市中に感染が広がったのはいうまでもない。

 第2波の大きさとピークについては、社会的な自粛がうまくいけばピークは今月中、大きさは第1波と同じ程度のインパクトだろう。しかし、うまくいかないと第1波を超える可能性もある。

 ここで、コロナ防止と経済活動の両立が必要なのだが、コロナ対策をないがしろにして経済活動を優先すると悲惨なことになる。その好例が放任政策をとったスウェーデンとブラジルだ。感染者数の人口比率ではスウェーデンは日本の約40倍、ブラジルは約50倍。死者数の比率ではスウェーデンは日本の約70倍、ブラジルは約50倍だ。南米はどの国も似たようにひどいが、スウェーデンは周辺国と比較しても圧倒的に感染者や死者が多い。

 しかも、両国ともに経済優先であったはずだが、2020年の国内総生産(GDP)成長率の見通しについて、スウェーデンは4%程度の減少、ブラジルも6%程度の減少とさえない。多少無理をして経済活動をしても、コロナ・ショックという世界的な大変動には逆らえなかったのだ。

 コロナ対策では、コロナ防止と経済活動の両立が必要だが、筆者としては、まずコロナ防止であり、それが済んだら経済活動と考えている。といっても、過度な経済自粛だと経済が死んでしまうのはより困る。というわけで、コロナ防止と経済活動を両立させるためには、当面は休業補償でしのいで、いいタイミングで経済活動をやればいい。

 6月上旬に公表された世界銀行と経済協力開発機構(OECD)による20年の日本経済見通しは、それぞれ6・1%減と6・0%減だった。ともに2次補正予算は盛り込まれていないが、2次補正の10兆円の予備費を含めても、まだ2%程度のGDPギャップ、つまり10兆円程度の需要不足は残り、3次補正が必要になるだろう。いずれにせよ、休業補償をしても、10兆円の予備費を含めて、当面20兆円程度が必要になる。

 1、2次補正により、基礎的財政収支赤字が悪化したとして、財政不安を強調する向きもあるが、これはあまりに短期的で形式的な見方だ。国債を日銀が買えば利払い償還負担はないので、財政は実質的に悪化していないというのが正しい。

 長い目で見て日銀納付金を考慮すれば、基礎的財政収支は悪化しない。つまり、日銀の通貨発行益で賄うので、将来世代への付け回しはないのだ。

 コロナの強風下では財政負担がない休業補償によって耐えた方が、経済復活への近道になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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