「とにかく検査数増」が引き起こすPCRパニック! 全国感染者1300人超も死者なし 村中璃子医師「確たる数字ないなか医療現場は混乱」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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「とにかく検査数増」が引き起こすPCRパニック! 全国感染者1300人超も死者なし 村中璃子医師「確たる数字ないなか医療現場は混乱」

 新型コロナウイルスの新規感染が全国で増え続けている。若者中心で無症状や軽症者が多い傾向は変わっていないが、連日「過去最高」と報じられて否が応でも不安感は高まる。無症状者を含めて「誰でも、いつでも」PCR検査を受けられるようにすべきだとの声も強まっているが、かえって混乱を招くとの懸念は消えない。

 東京都では2日、新規感染者が292人報告された。過去最多だった1日の472人に比べると減少したが、検査数が少なかったと考えられる。大阪府が194人、愛知県が160人、福岡県が145人など全国の感染者数は1331人と高水準だったが、死者の報告はなかった。

 感染者数の増加の背景にはPCR検査の件数が増えていることもある。6月ごろまでは1日6000~8000件だったのが、最近では2万件前後で推移している。

 独ベルンハルトノホト熱帯医学研究所の村中璃子医師は、「PCR検査は本来、検査対象者の条件を変えずに流行状況を定点観測するものだが、対象基準を変え、『夜の街』など感染していそうな地域も対象にしたことでこれまでの統計が台無しになっている」と語る。

 とにかくPCR検査の対象や件数を増やすべきだとの声は多い。東京都医師会はPCR検査を受けられる都内の医療機関を1400カ所まで増やす方針を表明、感染が集中している地域では休業補償を伴う強制力のある休業要請に加え、集中的なPCR検査で無症状者も含めた感染者の洗い出しを進めると提言した。

 東京都世田谷区の保坂展人区長は各メディアの取材に「誰でも いつでも 何度でも」をキーワードにPCR検査を拡大する意向を示した。これを提言したという東大名誉教授の児玉龍彦氏は参院予算委員会でPCR検査の拡充を主張した。

 村中氏は「キャパシティーを増やすことと、増えた分だけ対象を広げることは話が別。定点観測としてのデータと、調査目的で実施した検査のデータは分けて記録し、発表する必要がある」と指摘する。

 ワイドショーでもとにかくPCR検査を増やして隔離を徹底せよとの論調が多いが、PCR検査には実際は陽性なのに陰性と判定される「偽陰性」の問題もある。逆に「偽陽性」の人を強制的に隔離した場合、人権問題も生じる。

 検査をめぐる意見が大きく分かれていることについて、村中氏は「誰を対象にしてどんな結果が出ているのかなど、データの詳細へのアクセスがある人と、政府や都が発表する、ざくっとした数字にしかアクセスのない人で違いが出ている可能性がある。確たる数字がないなか、医療現場では『何となく感染者が増えている気がする』『それでも無症状や軽症が多いようだ』など、印象だけで判断せざるを得ず、混乱もある」との見解を示す。

 村中氏はこう続けた。

 「現状では、医療が足りずに死者や重症者数が急増するという傾向にはないことから“夏のうちに緩く感染者を増やして集団免疫を獲得する”という意味ではよい状況になっている可能性はある」

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