新型コロナ対応で“激務”続く…安倍首相は国家・国民のために堂々と長期休暇を! 平沢勝栄 俺がやらねば
最近、東京都の小池百合子知事に関する本が書店に平積みされている。過去の言動をもとに「小池氏が都知事にふさわしいか否か」を問うたものである。
私は、政治評論家の竹村健一氏の紹介で三十数年前に小池氏に会った。以来、今日まで小池氏の活動を見てきたが、いろいろな意味で“すごい人”だと思う。ここでは良い例のみ紹介したい。
まず、海外人脈の広さに驚く。それは世界中に及び、米国のリチャード・アーミテージ元国務副長官を私に紹介してくれたのも小池氏だった。
情報網の広さにも驚いた。2001年5月に北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男、正男(ジョンナム)氏が偽造旅券で日本への入国を図り、身柄拘束された。
この数時間後に小池氏から私に電話があり、「今、『長男』が拘束された。特別扱いで出国させないよう、あなたから外相に頼んでよ」と言ってきた。
この情報は真偽不明だったが、事実なら大変なことなので、とりあえず外相に電話してみた。
すると、「その情報、どこで聞いたのよ。(弾道ミサイルの)テポドンが飛んできたらどうするのよ」などとまくしたてられ、取り付く島もなかった。
小泉純一郎内閣の誕生直後で、大型連休の谷間に起こったことは不幸だった。一部の関係者で対処方針が決められ、当時、官房副長官だった安倍晋三氏には発言権がほとんどなかったことも痛かった。
結局、数日後に日本政府は正男氏をVIP待遇で、本人が希望する中国・北京に丁重に送り届けている。
「小泉訪朝」の1年以上も前の話だ。それにしても、当時、保守党だった小池氏は、この情報をどこから入手したのだろうか。
ともかく、小池氏には今後、政府との連携を一層、密にし、東京の諸課題の解決に全力を尽くしてもらいたいと思う。
ところで、安倍首相は17日、都内の病院で検診を受けた。日帰りだったが、ゆっくりしてもよかったのでないか。
今年初めから、安倍首相は新型コロナウイルス問題などで激務が続いている。その激務ぶりは諸外国の首脳らと比較すれば、一目瞭然である。
日本では不眠不休で働くリーダーが評価されがちである。しかし、リーダーは、最後は明晰(めいせき)な頭脳で間違いのない決断を下さなければならない。
そのためにも十分な休養をとり、体調を整えておくことが必須だといえる。安倍首相は堂々と長期休暇を取るべきだ。それは首相個人のためではない。国家、国民のためである。 (自民党衆院議員・平沢勝栄)