【喫煙を考える】年間2兆円規模の財源 たばこ税の使途を明確に - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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年間2兆円規模の財源 たばこ税の使途を明確に

 来る10月1日よりたばこが値上がりする。たばこ税増税に伴うもので50円前後の値上げとなる。

 価格が上がればたばこ離れが進む。これが増税の1つの目的だ。しかし年間2兆円規模の貴重な財源であるたばこ税収は保持したい。喫煙率が下がればさらに増税。そしてまた価格が上がる。たばこは常にそういう構図で値上がりを続けてきた。

 「近年は喫煙規制が厳しさを増しており、今年4月には改正健康増進法の全面施行で飲食店等も原則屋内禁煙になりました。そのような状況下でどうやって組合員を守り、財源確保に貢献すればいいのか、業界団体として頭を抱えるところです」。そう話すのは、全国たばこ販売協同組合連合会総務部長の武田基樹氏=写真左=だ。法改正にコロナ禍も加わり、たばこの売り上げは昨年比3割減まで落ち込んでいるという。

 これらの影響は耕作農家にも直結する。全国たばこ耕作組合中央会参事の村社広教氏=同右=は、「たばこの原料葉は契約生産であるため、販売本数が減ればそれだけ生産量に影響が及びます。それでなくても後継者問題が深刻化している業界なので、増税によりそれに拍車がかかる恐れもあり悩ましいところです」と話す。こんなところにも影響が広がっているのだ。

 「メーカーも含め、われわれたばこ関連業界が取り組まなければならないのは、たばこへの理解を深めること」と武田氏。「その1つが、たばこ税の重要性を訴えることだと思っています。しかしこれがなかなか容易ではありません」

 たばこ税は一般的な財政支出を賄うために徴収される普通税(一般税)で、使途が明確化されるものではない。「それを国民にちゃんと公開することができれば、たばこへの理解が深まり、財源としての今後の担保につながると思うのですが」

 こうした業界の思いが昨秋の自民党たばこ議員連盟定期総会で議論され、2020年度の与党税制改正大綱の基本的考え方に、「望まない受動喫煙対策や今後の地方たばこ税の安定的な確保の観点から、地方たばこ税の活用を含め地方公共団体が積極的に屋外分煙施設等の整備を図るよう促すこととする」という1文が盛り込まれた。税制改正大綱でたばこ税の具体的な使途に触れられたのは初めてだ。

 「分煙社会の実現」がたばこ関連業界が掲げる最大のテーマ。その実現のためのたばこ税であってもらいたい。

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