【日本の解き方】行政改革の対象だった日本学術会議、独立望まず「国の機関」を選択 再度「民営化」を議論する好機だ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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行政改革の対象だった日本学術会議、独立望まず「国の機関」を選択 再度「民営化」を議論する好機だ

 昨日の本コラムで2000年頃に日本学術会議の「民営化」議論があったことに言及したが、その詳細を改めて整理しておこう。

 当時、全ての行政機構の見直しがあったので、政府機関である日本学術会議も行政改革の対象だった。その際の議論のポイントは、従来のまま国の機関とするか、独立の法人格の団体(民営化)とするかであった。

 筆者は内閣府におり、日本学術会議の直接の担当者ではなかったが、同会議幹部から、かなりの陳情を受けた。担当ではない筆者のところにも陳情があったのは、筆者が郵政民営化など政府内で各種民営化の企画立案者だったからであろう。

 政府に批判的な提言もするためには、後者の独立の法人格の団体のほうが望ましいという議論もあったが、結果として、日本学術会議の要望通りに、国の機関とされた。

 ただし、03年2月の中央省庁等改革基本法に基づく総合科学技術会議の最終答申「日本学術会議のあり方について」では、「設置形態については、欧米主要国のアカデミーの在り方は理想的方向と考えられ、日本学術会議についても、今後10年以内に改革の進捗(しんちょく)状況を評価し、より適切な設置形態の在り方を検討していく」とされている。その後、これがまともに検討された形跡は見当たらない。

 欧米諸国のアカデミー(学術団体)は、ほとんどが独立の法人格である。政府から一部、財政補助は受けているが、独自の財政基盤(会費徴収、寄付、調査受託など)を持ち、政府からの独立性を維持している。

 今回、一部野党や一部メディアが1983年の国会における政府答弁を持ちだし、「学術会議が推薦する会員に対して政府が任命する際に裁量はない」とか、「政府が任命を拒否するのであれば説明責任がある」と主張している。これは、2003年改革で「民営化」しなかった経緯を無視したものだ。

 学術会議が政府の機関で、会員は国家公務員である以上、政府の任命に裁量があるのは当然だ。それが不満であれば、学術会議を民営化すればいい。学術会議が民営化を望まなかったのであれば任命に従うのは当然だ。その場合、政府による任命は「人事」であるので、その理由は述べないのが普通だ。そもそも人事に説明責任がないのはどんな組織でも同じだ。

 筆者の印象では、03年改革で日本学術会議は「民営化阻止」が最大目標だったのだろう。だから当時、「民営化」について意見を述べる機会が多かった筆者のところにも陳情に来たのだと思われる。筆者は詳細は覚えていないが、「民営化阻止」のためには何でもする、政府による人事も認めるという雰囲気はなかったのだろうか。

 「民営化」の手順は、まず日本学術会議法を廃止することだ。それだけだと日本学術会議は解体され、日本でアカデミーがなくなってしまうので、法廃止とともに、民間団体の設立を同時並行的に行うことになる。

 日本学術会議が話題になっているこの際、民営化議論を再び行うのもよい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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