【日本の解き方】“積み残した宿題”をやる菅政権 国民目線で具体的問題を提起、オーソドックスな解決策示す - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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“積み残した宿題”をやる菅政権 国民目線で具体的問題を提起、オーソドックスな解決策示す

 菅義偉政権では発足直後から、ハンコの廃止や携帯電話料金引き下げへの取り組みや、日本学術会議の会員任命問題などが目立っている。菅政権の問題意識や政策実現の手法に共通するものはあるのか、今後の地方銀行再編や行政のデジタル化では、どのような手法で実現を目指すのだろうか。

 これまで話題になったものは、いずれも分かりやすく具体的な問題だ。そして、菅政権の方針どおり、規制改革や行政改革に連なっている。

 ハンコ廃止は、役所への行政手続きや役所内手続きのオンライン化に貢献し、結果として行政のスリム化が図られる。さらに、行政手続きがオンライン化されると、バラバラだった各役所ごとの手続きが統一化され、国民から見れば縦割り行政が、かなり少なくなる。

 携帯電話料金の引き下げの目的は、電電公社民営化に始まる一連の規制改革による果実を国民に還元することだ。なんだかんだと言っても、携帯電話各社は儲かっているのだから、できるはずだ。菅政権はそうした国民目線で当たり前のことをやっている。

 日本学術会議では、菅政権が強権的な人事を行っていると誤解した人も多かったかもしれない。マスコミ報道が日本学術会議側の言い分ばかりを報道したからだ。しかし、ちょっと流れが変わりつつある。日本学術会議側が学問の自由を阻害してきた具体的な話が出始めてきた。日本学術会議は軍事研究を禁止してきたが、防衛庁の軍事研究プロジェクトに応じた大学に対して辞退するように迫っていたことが、関係者から表に出てくるようになった。このような具体的な話が出てきたのは、とてもいいことだ。

 菅首相は、この問題について「前例踏襲でよいのか」「学問の自由とは全く関係ない」と強調、任命拒否は法令上問題ないとし、過去の省庁再編論議の際に日本学術会議の必要性やあり方が議論されてきたとも指摘している。

 この省庁再編論議とは、本コラムで紹介した2003年当時の経緯であり、そこでの議論の際に10年以内の見直しが決められたが、見直しが行われた様子はうかがえない。要するに、日本学術会議問題は行われなかった「省庁再編の宿題」であり、宿題はやるべきだという行革における当たり前のことを菅政権は突きつけているのだ。

 つまり、これらの問題は、決して思いつきではなく、過去からの経緯を踏まえたものだ。その意味で、用意周到に問題提起されている。

 今後は、地銀の再編や行政のデジタル化でも、分かりやすく具体的な問題から入るだろう。その方向も、過去の取り組みを反映し、その延長線になると思われる。

 問題提起は刺激的だが、そうした意味で決してとっぴではなく、オーソドックスな解決策が示されるはずだ。地銀再編はこれまでにも指摘されてきたし、行政のデジタル化も20年前にすべての行政手続きのオンライン化の必要性が指摘されていた。積み残した宿題をやるだけだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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