【日本の解き方】大阪都構想と菅政権の関係 住民投票で微妙なバランス、万博と国際金融都市に注力 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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大阪都構想と菅政権の関係 住民投票で微妙なバランス、万博と国際金融都市に注力

 大阪都構想の住民投票が12日告示された。11月1日が投開票だが、松井一郎大阪市長らと近いとされる菅義偉首相はどのような立場をとるのだろうか。

 大阪都構想について、大阪府レベルでの政党別に賛否をみると、賛成は大阪維新の会、公明党、反対は自民党、共産党、立憲民主党となっている。国政レベルで、自民党と共産党が組むことはまずないが、大阪で見られる珍しい現象だ。

 菅首相が維新の松井市長と近い関係にあるのは周知の事実だ。しかし、菅首相は自民党総裁でもある。自民党大阪府連が反対している以上、自民党総裁の立場から大阪都構想に意見を述べるのはいくら何でも不適切だ。安倍晋三前首相も、松井市長らと近い関係で、大阪都構想を後押しするかのような発言もあったが、表向きは自民党大阪府連に任せていた。

 といっても、安倍前首相は、大阪都構想反対だった自民党大阪府連の応援演説にも入らなかった。政治家のスタンスの明確化といえば、応援演説をするかどうかであり、安倍前首相は、自民党総裁という立場と松井市長と近いという立場との間の微妙なバランスを取っていた。

 菅首相は、大阪都構想については、住民投票を可能にした大都市法(大都市地域における特別区の設置に関する法律)の制定で自民党の中心人物だったので、思い入れが強いはずだが、今回の住民投票でも微妙なバランスを取らざるを得ないだろう。

 今後の菅首相の日程だが、秋の臨時国会が今月26日に召集される予定だ。ただし、その前に、首相としては初めての外遊となる東南アジア歴訪を行う。日程の観点から、大阪へ行くことは物理的にまずできない状況だ。そのため、どういう発言をするかが注目される。

 菅首相が大阪を重視しているのは、井上信治万博担当相を専任で初めて置いたことからも分かる。万博特別措置法(平成三十七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律)を昨年制定し、それに基づき専任の万博担当大臣を置くことが可能となったので、菅新政権で早速実行したのだ。

 もっとも、菅首相が大阪を重視していても、あくまで自助努力が必要だ。その一例は、日本に世界の金融ハブをつくる「国際金融都市構想」について、東京、大阪、福岡を競わせる意向だ。5日の経済紙のインタビューで菅首相は「海外から金融関係の人材を呼び込むことで市場の活性化が期待できる」と述べ、3地域を競わせることを示唆した。「税制上の措置や行政の英語対応、在留資格上の問題に取り組む」ともしている。

 6月に香港国家安全維持法が施行されたことで、アジアのどこかで香港の金融機能の受け皿が必要となる。大阪が国際金融都市構想で抜け出すことができるかどうかも、大阪都構想との関連で興味深い。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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