【朝日新聞研究】トランプ外交の連載でなぜか中国と北朝鮮は中心的に取り上げず 対中外交の画期的な転換や米朝会談は無視 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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トランプ外交の連載でなぜか中国と北朝鮮は中心的に取り上げず 対中外交の画期的な転換や米朝会談は無視

 朝日新聞朝刊に9月22日から10月15日まで、断続的に16回にわたって、「きしむ世界 トランプ流の4年」という記事が連載された。これは、ドナルド・トランプ米大統領による外交を、徹底して否定的に論じたものといえる。内容的には、いくつかの国や国際機関などに対する、トランプ氏の外交的対応を概観している。

 論述の内容を見ると、矛盾したり、つじつまの合わないところがあったりして、極めて質の悪い記事となっている。それは、とにかくトランプたたきをやりたいという思惑が、あまりにも強すぎるからではないのか。

 第2回のベトナムに関する記事(9月23日)のリードは、「自由や民主主義を世界に広める。米国の歴代政権の外交にはそんな理想があった。だが、自国の利害にしか関心がないトランプ政権の4年間で輝きは失われた。非民主的な国々への圧力は弱まり、体制に異を唱える人々は途方に暮れる」と断定するが、これは本当だろうか。

 例えば、それ以前に軍事介入していた地域から、勝手に「世界の警察官」の役割を下りてしまい、その地域が危険になったことを、アフガニスタン(10月2日)と、リビア(10月3日)の例で指摘しているが、「世界の警察官をやめる」と言ったのは、バラク・オバマ前大統領ではなかったかと記憶する。

 また、オーストラリアにおける、フェミニストに対するヘイトスピーチ問題(10月13日)まで、トランプ氏の責任に帰するのは、あまりにも無理がある。

 ところで、私がこの連載で最も注目したのは、東アジアの2つの国が、中心的に取り上げられていないことである。それは中国と北朝鮮である。

 トランプ氏個人ではないが、マイク・ポンペオ米国務長官演説に代表されるように、トランプ政権は最近、中国との対決を明確に打ち出した。その中には、ウイグルなどでの人権問題への追及も含まれる。トランプ流で人権外交が失われたとするのは、まったくの誤りである。

 朝日新聞の連載では、この米国外交としても画期的な転換を無視している。それに言及すると、トランプたたきという、この連載の基本方針に違反してしまうからではないか。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との3度の会談こそ、世界に大きな衝撃を与えた、まことにトランプ流らしい外交であった。しかし、このトランプ氏による、最大の外交イベントを、朝日新聞の連載はまったく取り上げない。

 正恩氏といえば、自分の兄弟まで暗殺する、人権侵害大国のトップであり、トランプ氏はその人物と握手をしたのであるから、北朝鮮こそ、この企画に最もふさわしい国のはずである。

 なお、朝日新聞はサウジアラビアの回(9月24日)で、サウジ記者の暗殺を指令したとされるムハンマド・ビン・サルマン皇太子を、トランプ氏は一貫して擁護した、として批判的に書いている。

 ■酒井信彦(さかい・のぶひこ) 元東京大学教授。1943年、神奈川県生まれ。70年3月、東大大学院人文科学研究科修士課程修了。同年4月、東大史料編纂所に勤務し、「大日本史料」(11編・10編)の編纂に従事する一方、アジアの民族問題などを中心に研究する。2006年3月、定年退職。現在、新聞や月刊誌で記事やコラムを執筆する。著書に『虐日偽善に狂う朝日新聞』(日新報道)など。

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