【日本の解き方】菅首相外交デビューの意味 安倍外交の継承と中国包囲 ベトナムは有望な投資先に - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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菅首相外交デビューの意味 安倍外交の継承と中国包囲 ベトナムは有望な投資先に

 菅義偉首相は就任後初の外遊で、ベトナムとインドネシアを訪れた。

 両国は、第2次安倍晋三政権発足後の2013年1月、安倍前首相が最初の訪問地に選んだ国だ。その意味では、菅外交は安倍外交の遺産を引き継ぐのだろう。

 安倍前首相は、第1次政権時に、いわゆるセキュリティー・ダイヤモンド構想(インド太平洋構想)を提唱した。これは、中国の共産党一党独裁に対して、民主主義を基本的価値観とし、経済面では実質的に中国の「一帯一路」構想への対抗策だ。

 現在、「クアッド」と呼ばれる日本、米国、オーストラリア、インドによる4カ国連携が進められている。具体的には、10月6日に4カ国外相会議が、発案国に敬意を表して日本で開催された。

 今回の菅首相の外遊は、この延長線で考えなければいけない。つまり、ベトナムとインドネシアは、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中では、中国と距離感がある国なので、「クアッド・プラス」へ引き込もうとする戦略がある。

 「クアッド・プラス」構想は、ポンペオ米国務長官も表明しており、日本としてもこれまでつながりの深いベトナムとインドネシアは今回の首相歴訪を契機にしたいところだ。実際、菅首相も、「インド太平洋地域における平和と発展に貢献する」と表明している。

 と同時に、中国への過度の依存により、今回のコロナ危機で日本のサプライチェーン(供給網)の問題も露呈した。補正予算で日本への回帰のための措置を打ち出し、米国などは驚いたようだ。中国への依存を少なくするためには、日本への回帰も進めるべきだが、ベトナムなどへの展開も一つの手段である。ベトナムも日本からの新規投資の受け入れは歓迎だろう。

 筆者の周りでは中国からベトナムへ投資先の変更は以前からかなりあったが、今回のコロナ騒ぎで一層、加速された。

 もともと中国において中国共産党の指導の下で経営をするのは無理があった。ベトナムも一党独裁の共産国家であるが、中国との違いは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加していることだ。TPPでは、将来的に国有企業政策の抜本的変更や資本自由化などが含まれており、いずれ一党独裁の共産国家を捨てざるを得ない。

 この点で、ベトナムがTPPに参加しているということは、いずれ一党独裁共産国家を捨て去る覚悟ではないか。その意味でも、長期的な投資先として考えてみても、日本にとって有望だろう。

 産経新聞は「武器等防護」をオーストラリア軍と自衛隊の間でも実施すると報じていた。実現すれば、米国に続き2カ国目になる。一部マスコミは、日本が巻き込まれるのではないかと批判するが、安全保障面から見ると、巻き込まれるより、手出しを受けないメリットの方が大きいことが歴史的に実証されている。いよいよ「クアッド」が動き出しているときに、ベトナムとインドネシア歴訪は大きな意味を持つものとなった。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

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