【米中新冷戦】トランプ政権、最大の功績は“独裁”中国への厳しい姿勢堅持 「中国が支配する世界」誕生の可能性考えれば高く評価せざるを得ない - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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【米中新冷戦】トランプ政権、最大の功績は“独裁”中国への厳しい姿勢堅持 「中国が支配する世界」誕生の可能性考えれば高く評価せざるを得ない

 このコラムを書いている時点では、米大統領選の最終的な結果は出ていない。ただ、ドナルド・トランプ大統領が政権を去る可能性がでてきた。毀誉褒貶(きよほうへん)が激しかったトランプ氏が率いた政権の功績について考察する。

 最大の功績は、共産党一党独裁の中国に対し、厳しい姿勢を堅持したことだ。習近平国家主席の中国を「脅威」として認定し、断固として中国の不公正・不法な行為に制裁を加えた。

 米中覇権争いの本質は「ハイテク覇権争い」だ。AIなどの最先端技術は、軍民両用の技術であり、それらは人民解放軍の兵器開発にも徹底的に利用されている。だから、トランプ政権は、中国による米国の最先端技術の窃取に対して、痛烈な制裁を行った。

 トランプ政権による、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」に対する徹底的制裁、中国のスパイ活動の拠点になっていた在米中国総領事館の閉鎖、中国人スパイの逮捕などの果断な措置は見事であった。

 覇権争いは、イデオロギーの対立でもある。

 マイク・ポンペオ国務長官は「自由主義の世界は中国共産党の独裁体制に勝利しなければいけない」「中国が繁栄すれば民主主義に転換するとの期待の下で続けてきた従来の関与政策は失敗だった」「中国が変わらない限り、世界は安全にはならない。自由主義の同盟国・有志国が立ち上がり、中国の姿勢を変えるべきだ」などと主張した。

 そして、中国政府による香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧、南シナ海での領有権の拡大、知的財産権の侵害などを列挙し、「中国の指導者の言葉ではなく、行動を見て判断しなければならない」「中国に対しては、『信用するな、確認もせよ』を貫き、公平性と相互主義を求めていかねばならない」と警告した。

 また、「民主主義は、中国を恐れてその専制政治を許すことは歴史的な過ちにつながる。結束して中国に立ち向かうべきだ」「中国の国民が問題なのではなく、中国共産党一党独裁が問題であり、中国共産党を打倒しなければいけない」とも宣言した。

 もう一つのトランプ政権の功績は、「力による平和」をスローガンに、国防予算を大幅に増額し、米軍の再建に取り組み、「宇宙軍」も創設したことだ。そして、20年近く続いている対テロ戦争の優先順位を下げ、最大の脅威である中国人民解放軍に対処する態勢を築いたことだ。

 トランプ政権の中国に対する厳しい姿勢がなければ、「中国が支配する世界」が誕生する可能性があったことを思えば、トランプ政権を高く評価せざるを得ない。

 ■渡部悦和(わたなべ よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『自衛隊は中国人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)、『中国人民解放軍の全貌』(同)など。

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