人々をパニックにする薬の高騰 ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて
ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!
現在、こちらエカテリンブルクは寒い北風とともに時折雪が散らつく毎日ですが、悪天候がもたらすようにコロナウイルスの状況はさらに悪化しています。
新規感染者数は増加しており、その数はロシア全体で1日2万人以上に達し累計感染者数も今月中には200万人に到達するでしょう。
私の暮らす地域でも1日約300人ずつ新規の患者が増え続け、すでに3000人以上の肺炎患者が登録されていますが、彼らのほとんどが50歳以上です。
政府はもはやロックダウンを行うつもりはありません。こちらの地域行政も会見を開き、市民一人一人が将来のために責任をもって、マスクを着用しなければならないと繰り返し述べています。
警察は、ショッピングセンター、レストラン、駐車場、さらにはエレベーターを含むすべての公共の場所を管理していて、違反した場合は1万5000から4万ルーブルの高額の罰金が科せられます。
その上、エカテリンブルク市の1日あたりの救急車稼働数は限界を超え、病院はどこも混雑しています。1週間38度の高熱が出た私の知り合いは救急車を呼ばずに自分で総合病院に行き、フラフラになりながら検査を受けるため5時間待ちの行列に並んだそうです。
同時に病院のベッド数が不足していますが、幸いなことに状況が悪化した場合に備えてまだ場所が確保されています。
地域行政は、コロナウイルスの最後の病巣がエカテリンブルクを含むスヴェルドロフスク州全域で排除されたと前向きな予測をしていますので、私たちは注視するでしょう。
しかし、今も時折公共交通機関でバトルが繰り広げられています。乗客がマスクなしでバスや路面電車に乗った場合、運転手は政府の命令によってその乗客が車外へ出るまで発車してはなりませんが、時々下車することを拒否するマスク無しの乗客もいます。
その場合は警察が出動するか、怒った乗客たちによって強制的に車外に押し出されることになります。
人々をパニックに陥れるもう一つの問題は薬の値段が跳ね上がってしまったことです。需要が高いなどの理由でドラッグストアから消えた薬もありました。
残念ながら、風邪の症状を持つ人々の中には、ソーシャルメディアなどから発信される専門的でない情報をうのみにしている場合があります。
その結果、彼らは必要もない抗ウイルスや抗生物質治療を受けていますが、そのような人々に低温治療は対症療法にすぎないことを教えるべきです。
■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザー・トモキヒラタと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)
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