【真・人民日報】鮮明になる世界経済の「中国依存」 新型コロナ初期の「中国崩壊」説しのぐ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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鮮明になる世界経済の「中国依存」 新型コロナ初期の「中国崩壊」説しのぐ

 11月2日の日本経済新聞(電子版)は、世界の主要企業の業績でアジアと欧米の企業間に大きな差が生じたと報じた。

 世界全体で見た企業の純利益は2020年7~9月の前年同期比で9%減にとどまった。経済再開が進んだことが理由で、4~6月期の6割減から大きく改善した。だが、〈中国とアジアが増益に転じた一方、日欧は3割減益〉であり、〈欧米が感染再拡大に直面する中、中国・アジアが全体に占める比率は3割を超え、けん引役となっている〉としている。

 同じ日、ロイター通信も「アングル:中国経済再拡大が後押し、アジアの景気に回復の兆し」というタイトルで同様の傾向を報じた。

 個別企業では、トヨタ自動車やホンダが中国市場で持ちこたえたことなどが報じられてきたが、いよいよ世界経済の中国依存が鮮明になってきている。

 これに先立つ10月27日、国連貿易開発会議(UNCTAD)は1~6月の世界各国への海外直接投資が計3990億ドル(約40兆9700億円)で、前年より49%減ったと発表した。特に先進国への投資が75%減の980億ドル(約1兆300億円)と大きく落ち込んだが途上国への投資は16%減の2960億ドル(約30兆4700億円)で、先進国に比べれば打撃は軽かった。ちなみに中国への投資はマイナス4%にとどまった。

 すでに国際通貨基金(IMF)など多くの国際機関が来年、G20の国々では中国が唯一のプラス成長になるとの予測も出した。欧米を中心に新型コロナウイルス感染(新型コロナ)の第3波が指摘され始めたのだからなおさらの傾向だ。

 新型コロナの初期、「これで本当に中国崩壊」と奇説が賑やかだったが、あれは何だったのか。

 問題はそんな視点ではない。中国の悪口を言って安心するのではなく、むしろ真摯に分析をすべきなのに、敵の強さを知ろうとしない点だ。

 第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で驚いたのは、「所得の伸びと経済の伸びがほぼ同じとなること」が目標として掲げられたことだ。

 中国は本気で中間層を拡大し消費で国内経済を成立させようとしている証左といえよう。

 同じ時期、中国国営中央テレビ(CCTV)のインタビューをうけた巨大新興企業・滴滴のトップは、「流動的な雇用の受け皿になる」宣言し、これまでも雇用を拡大し、うち12%が退役軍人、21%はそれが家庭における唯一の収入源の人々だと答えた。つまり社会不安が起きないよう高収益企業は政治的な役割を押し付けられているのだ。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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