【真・人民日報】中豪関係悪化の原因と本質とは 対中見据える日豪接近の行く末…対中輸出の穴埋めを希望? - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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中豪関係悪化の原因と本質とは 対中見据える日豪接近の行く末…対中輸出の穴埋めを希望?

 オーストラリアのスコット・モリソン首相が来日し、菅義偉首相と会談した。奇しくも17日は、日米印にオーストラリアが加わった海上共同訓練「マラバール」がアラビア海で再開されたのと同じ日だ。

 モリソン首相は、菅首相にとって日本国内で会談する初めての外国首脳となり、互いを「ヨシ」、「スコモ」と呼び合う関係に、と盛り上がった。

 日豪がこうした接近を見せれば、当然のように意識されるのが中国だ。

 日豪と中国の関係に触れられるとき、多くの新聞は、「(中豪関係は)新型コロナの問題でオーストラリアが独立調査を求めたことで悪化」という表現を使うのだが、これは明らかに知識不足だ。

 というのも中国とオーストラリアの関係が悪化したのは、もう5年以上前からだからだ。

 このころから中国の新聞やネットには中国語で「反中」を意味する「反華」という言葉があふれるようになるのだ。

 きっかけという意味では、それほどはっきりしたものがあったわけではない。おそらく、現地に中国人があふれ--移民や観光客など--たことで、例によって嫌われ、その空気を政治的に利用する風潮が広がったのだろう。同じ時期から中国の対オーストラリア投資も減ってゆき、両国の関係は坂を転がるように悪化していった。

 つまりコロナでの発言は最後のトリガーに過ぎなかったということだ。

 いま中国の豪州産品への輸入制限は、牛肉、ワインに続き、10月にはついに対中輸出品としては2番目に大きい石炭にも及んだとされている。まさに徹底的に締め上げようというのだ。もちろん、こうしたやり方は大人気ないし、WTO(世界貿易機関)違反の可能性も高い。

 だが、一方のオーストラリアが単なる被害者かといえばそうでもない。アメリカよりも早く安全保障上の理由からファーウェイ(華為技術)など中国の通信メーカーを通信網整備事業から排除したのはオーストラリアだ。

 そもそも自国経済を盛り上げるため中国人の移民を歓迎し、留学生と観光客を呼び込んだ。最後には小学生の留学まで奨励していたのに、一旦、中国人が目立ち始めると今度は彼らの特殊性を指摘して「国を侵略している」とやり始めたのだからたちが悪い。大方、対中輸出の穴埋めをしてほしいということだろう。それに対して日本は、「潜水艦を買って、捕鯨に口を出すな」とでもいうのだろうか。

 ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。

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