金正恩が処刑…平壌医大「性的虐待」鬼畜グループと、ある母親の戦い (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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金正恩が処刑…平壌医大「性的虐待」鬼畜グループと、ある母親の戦い (1/2ページ)

 北朝鮮の首都・平壌にある平壌医科大学。朝鮮が日本の植民地支配下にあった1929年に設立された平壌医学専門学校が前身で、北朝鮮建国直前の1948年9月に大学として設立された。2010年には最高学府の金日成総合大学の医学部に改変されたが、2019年に再び独立、北朝鮮医学界の最高峰としてそびえたっている。

 この平壌医大が突如として批判の矢面に立たされた。

 国営の朝鮮中央通信は、今月15日に開催された朝鮮労働党中央委員会(中央党)第7期第20回政治局拡大会議で、金正恩党委員長は、平壌医科大学で「重大な形態の犯罪行為」があったとして、厳しく批判したと報じた。

 会議では、重大な形態の犯罪行為を働いた平壌医科大学の党委員会とこれに対する党の指導と申告の処理、法的監視と統制を強化しなかったので犯罪を庇護(ひご)、黙認、助長させた党中央委員会の当該部署、司法・検察、安全・保衛機関の無責任感と激甚な職務怠慢行為に対して辛辣(しんらつ)に批判された。(朝鮮中央通信)

 (参考記事:「反党・反社会主義を根絶せよ」金正恩氏主宰で党政治局会議

 報道は、その犯罪行為について明らかにしていない。平安南道(ピョンアンナムド)のある幹部が、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったのは、入試に関する不正だ。

 北朝鮮の大学は現在、コネとカネがなければ入学が困難な状況となっているが、中でも平壌医大は入学が極めて困難な上に、医師免許の取得、卒業後は各地の病院幹部への道が約束されていることもあって卒業も難しく、在学生は学内の朝鮮労働党委員会と教授に日常的にワイロを納めることを強いられてきた。

 (参考記事:エリート養成校をめぐり札束が飛び交う北朝鮮の「汚受験」

 そんな平壌医大出身の若い医師が配属された病院では、患者が死亡する医療事故が続発。その中に幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の家族も少なくなく、中央に信訴(不正行為の告発)が寄せられた。

 金正恩氏の批判は、この信訴を受けた調査に基づくものと思われる。ただ、彼が批判した不正行為は、裏口入学やワイロのやり取りなどという、ありふれたレベルのものではなかった。以下は、平壌のデイリーNK内部情報筋が語った話を再構成したものだ。

 平壌医大の2年生から4年制の男子学生4人は、同級生の複数の女子学生に対して「性上納」を要求するなど性的虐待を続けてきた。そして、被害者のひとりだった女子学生が今年8月、自ら命を絶った。

 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

 女子学生の母親は、学内の党委員会に男子学生の処罰を求めた。ところが、党委員会はいっさい動こうとしなかった。母親は業を煮やし、大学のある平壌市中区域の安全部(警察署)に信訴を行った。訴状を送ったが、いくら待っても回答はなかった。

 母親は結局、中央党に直接信訴の手紙を届けることを決心した。コロナで入市が統制されている平壌に潜り込み、中央党第2受付窓口に手紙を提出した。平壌在住の親戚の家に泊まり込み、回答を待ったがこちらも何の気配もない。

 信訴は、北朝鮮国民が、権力による不正行為の被害者となった場合に訴えることができる、法的根拠に基づいた制度だが、訴えが握りつぶされたり、加害者から逆襲されたりすることもある。

 (参考記事:「訴えた被害者が処罰される」やっぱり北朝鮮はヤバい国

 しびれを切らした母親は、再び第2受付窓口を訪ねた。信訴の手紙を受け取った信訴請願課の職員は、母親が鬼気迫る勢いで娘の受けた犯罪行為について語る様子を見て、深刻な非社会主義行為(風紀紊乱行為)が助長、黙認され、信訴の手紙が内部でもみ消されたと判断。党の最強機関である組織指導部の趙甬元(チョ・ヨンウォン)第1副部長の人脈をたどり、訴えを上部に報告した。

 報告を受けた金正恩氏は、平壌医大の党委員会に対し組織指導部が集中検閲(監査)を行うよう指示した。

 まず、加害学生4人は、中央党幹部の息子で、初級中学校に通っていた10年前、市内の平川(ピョンチョン)区域で女性に売春をさせていた事件の主犯であったことが明らかになった。情報筋が「あの有名な」と言及していることから、北朝鮮ではかなり知られた事件のようだ。この事件の詳細は不明だが、親たちが保安署(警察署、現安全部)に圧力をかけ、4人を釈放させたことで、有耶無耶になったようだ。

デイリーNKジャパン

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