【昭和のことば】健康や命を共同で守る なくしてはいけない日本の保険医療制度 「人間ドック」(昭和29年) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

健康や命を共同で守る なくしてはいけない日本の保険医療制度 「人間ドック」(昭和29年)

 外出自粛などでいささか例年とは違う様相だが、今年も何かと忙しく、体調に気をつけなければいけない暮れのシーズンがやってきた。年に一度、船舶のドックのように病院に入り、徹底的に修理・点検(精密検査)をする、「人間ドック」ももはや一般的な行事となった。

 この「予防」の考え方を取り入れた人間ドックは、昭和29(1954)年、国立東京第一病院の開設が最初である。当初は健康保険適用外の高額医療のため、一部の特権的な階層の人だけが行えるものであったが、昨今の健康ブーム、生活習慣病への関心の高さもあり、かなり一般に普及してきた。

 この年の主な事件は、「皇居に約38万人が参賀。二重橋で将棋倒しが起こる」「マリリン・モンロー、野球選手の夫ジョー・ディマジオとともに来日」「NHKテレビ、美容体操の放送開始」「犬養健法相、造船疑獄関連で自由党幹事長佐藤栄作逮捕阻止に指揮権発動、翌日辞職」「原水爆禁止署名運動全国協議会結成」「日本中央競馬会発足」「台風15号暴風雨下の青函連絡船『洞爺丸』が座礁転覆」「吉田茂内閣総辞職、第1次鳩山一郎内閣成立」など。

 この年の映画は『七人の侍』『二十四の瞳』『ローマの休日』。シャープ兄弟と力道山・木村組のプロレスタッグマッチが蔵前国技館で行われ、人々は力道山の「空手チョップ」に熱狂した。

 徹底した精密検査はまだまだ高額で、国民の大部分を網羅するまではいかない。だが、地方自治体も独自に「生活習慣病検査」や「がん検診」などを社会福祉の面から推進する。個人では守りきれない健康や命を共同で守る。完璧とはいかないが、なくしてはいけない日本の保険医療制度である。=敬称略(中丸謙一朗)

〈昭和29(1954)年の流行歌〉 「ひばりのマドロスさん」(美空ひばり)「高原列車は行く」(岡本敦郎)「お富さん」(春日八郎)

関連ニュース

アクセスランキング

×