新型コロナ、本当に効く治療薬は? 「レムデシビル」「デキサメタゾン」「アビガン」 識者「効くという報告も、その逆もある。具体的な特効薬はない」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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新型コロナ、本当に効く治療薬は? 「レムデシビル」「デキサメタゾン」「アビガン」 識者「効くという報告も、その逆もある。具体的な特効薬はない」

 国内で新型コロナウイルス感染症による累計死者数が3000人を突破し、重症者数も高止まりし、医療の逼迫(ひっぱく)が指摘されるなか、最前線ではどのような治療が行われているのか。臨床の現場では、厚生労働省の専門部会が承認を見送った「アビガン」についても、効果を実感する声も聞かれた。

 死者数が増えている背景として、重症化しやすい高齢者の感染増加が考えられる。厚労省が10月時点でまとめた年代別の重症化率は、30代を1とすると60代は25倍、70代は47倍、80代は71倍と急激に増えている。

 国内でワクチンの接種が始まるのは早くても来年2月からだ。現状では重症化を抑える処置としては、治療薬への期待が大きい。

 厚労省が11月時点で使用を許可している治療薬は、エボラ出血熱の治療薬として開発された「レムデシビル」が特例承認されたほか、重症感染症や間質性肺炎のためのステロイド「デキサメタゾン」などがある。

 具体的にはどのように使うのか。感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫院長補佐は、「ほとんどの人はかぜ症状なので対症療法になる。高齢者などリスクのある人ではウイルスの増殖を防ぐためにアビガンを、そして、炎症を抑えるためにデキサメタゾンを使う。サイトカインストーム(ウイルスを攻撃する抗体が暴走し、体内の細胞を攻撃する)が起こる前に早めに使用している。デキサメタゾンは血糖値が上がったり、寝られなくなるなど課題もあるが効果はある」と語る。

 インフルエンザの治療薬として用いられている「アビガン」は、コロナ治療薬としての国内の承認は見送られたが、医療現場では心強い味方という側面があるという。

 矢野氏は、「レムデシビルは人工呼吸器が必要なレベルの重症者に用いるものだが、点滴で患者をつなぐ必要がある。これに対し、アビガンは内服薬なので使いやすい。高齢者や基礎疾患で重症化リスクのある人には早めにアビガンを使用し、ほぼ同時か1日遅れでデキサメタゾンを使うことが多い」と語る。

 実際に効果も出ているという。「症例は多くないが、飲むと翌日に熱が下がり、血中酸素濃度も横ばいか改善することがあるので、効果はあると実感がある」と前出の矢野氏。

 厚労省のサイトには、新たな治療薬の候補として13の医薬品が列挙されている。今後、治療薬の展望は開かれるのか。

 感染症の治療薬に詳しい東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「現状では確立した治療法はなく、主治医の判断になる。レムデシビルやステロイド薬も効くという報告がある一方、その逆もあり、臨床でも具体的な特効薬はない。ただ、SARS(重症急性呼吸器症候群)と比べて流行地域が限定的ではなく、多くの国で研究用のウイルスを保有しているため、薬剤開発はさらに加速する可能性はある」と語った。

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