年末年始は「家にいよう」 新型コロナで「辛かった1年」乗り越え来年は「幸せな1年」に (1/2ページ) 小池百合子 強く、そしてしなやかに
英王室のゴタゴタに加えて、ウィンザー城が火災に見舞われた1992年、エリザベス英女王はラテン語の「アナス・ホリビリス(ひどい年)」という言葉で1年を振り返った。
新型コロナウイルスの襲来に始まり、2020東京大会の1年延期、そしてコロナ禍の拡大で終わろうとする今年こそ「ひどい年」だった。
一文字で表すなら「辛」だろうか。
これまで都では、都民の命を守ることを最優先に考え、(1)死亡者を出さない(2)重症者を出さない(3)医療提供体制の崩壊を防ぐ-という3本柱でコロナ対応を進めてきた。
今月に入り、感染状況に加え、医療提供体制の警戒レベルも初めて4段階中最高レベルとなった。そこで、17日には都独自に「年末年始コロナ特別警報」を発令した。
今年の年末年始は「家庭でステイホーム(家にいよう)」。不要不急の外出は控えていただきたい。
都の感染症対策の司令塔である、東京iCDCの専門家ボード座長である東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授から、「今年はいつもとは違う年末年始」として、忘年会や新年会は避ける、帰省はできるだけ避ける、などのアドバイスをいただいた。
初詣の混雑で感染リスクが高まるのを避けるため、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、JRや首都圏の私鉄各社に大みそかの終夜運転中止を要請し、応じてもらった。初詣にはぜひ、混雑する日や時間帯を避け、分散してお願いしたい。
感染状況を見ると、重症者数は24日時点で73人であり、高齢者や既往症を持つ方々が多い。感染経路はお酒を伴う会食をした人が家庭にウイルスを持ち帰り、家族にうつすケースが多いとの分析である。
PCRの検査数は1日1万件を超える日もあり、新規感染者数も急増している。都では重症者用に250床、軽症・中等症向けに3750床の病床の確保を都内の医療機関に要請している。宿泊療養施設も約4000室を確保している。入院患者の増加が続き、医療現場には大変なご苦労をおかけしている。
そこで、年末年始に患者を受け入れる医療機関に対し、重症患者1人につき1日30万円、軽症・中等症患者1人につき1日7万円を支援することも決めた。医療現場の医師、看護師の皆さんや保健所の皆さんにはお正月も返上ということになり、恐縮至極である。