【松井一郎 維新伝心】東京五輪2024年に「再延期」提案の真意 「中止」は絶対に避けなければならないが…ワクチンが行きわたるには、相当な時間が必要 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

東京五輪2024年に「再延期」提案の真意 「中止」は絶対に避けなければならないが…ワクチンが行きわたるには、相当な時間が必要

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた、緊急事態宣言の再発令(8日)から3週目に突入した。大阪府では前週に比べて新規感染者が少し減ったが、まだ300人台半ば(26日発表)だ。とても、ホッとできる状況ではない。

 メディアは連日、「1カ月で緊急事態宣言を解除できるのか」ばかりに注目して報道しているが、それほど単純な話ではない。新型コロナには特効薬はなく、日本ではワクチン接種も始まっていない。ワクチンの効果も明確には確認されていない。

 現時点では、「命を守り、経済を止めない」ために、社会経済活動について一定の制限をかけながら、感染状況に応じてアクセルとブレーキを使い分けていくしかない。そのペダルの踏み込みも、状況に合わせて強弱を付けるという、繊細な判断が必要だろう。

 こうしたなか、大阪府では21日、高齢者施設での新型コロナの感染を防ぐため、入所者や職員らがオンラインで検査を申し込み、無料で受けられる「スマホ検査センター」を稼働させた。

 高齢者は感染すれば重症化する確率が高い。大切な命を守るためにも、高齢者施設でクラスターが発生することは避けなければならない。

 一方、無症状の職員らは検査を受けることが難しく、知らず知らずのうちに感染が拡大するケースもあった。スマホ検査センターの稼働で、無症状の職員も簡単に検査が受けられる。高齢者への感染を防ぐことは、医療従事者の負担を減らすことにもつながるはずだ。

 さて、私は20日、今年夏に延期された東京五輪・パラリンピックを再延期して、「2024年の開催を目指して交渉すべきだ」と提案した。メディアでも報じられて注目された。改めて、その真意を説明したい。

 まず、東京五輪の「中止」は、努力してきたアスリートにとっても、大会開催に向けて準備してきた関係者にとっても、東京や日本にとっても「最悪の事態」だと考える。五輪中止のショックは甚大であり、絶対に避けなければならない。

 ただ、国内のワクチン接種を夏までに終えるのは簡単ではないうえ、世界中にワクチンが行きわたるには、さらに相当な時間が必要となるはずだ。菅義偉首相は「新型コロナの打ち勝った証しとしての東京五輪」を訴えているが、現状では今年夏、完全なかたちでの五輪開催は難しい。

 ならば、東京五輪を「2024年開催」に再延期して、24年予定のパリ五輪を28年へ、28年のロサンゼルス五輪を32年にスライドしてはどうか。パリ五輪の延期が困難なら、「東京とパリの共催」という手もある。

 「そんな前例はない」と言われそうだが、未知のウイルスによるパンデミック(世界的大流行)は、100年前のスペイン風邪以来で、地球上の大半の人は経験していない。前例がなくて当然だ。

 そうでなくても、「五輪は金がかかりすぎる」として立候補する都市が減っている。東京は新型コロナさえなければ、準備はほぼできている。新型コロナで、パリ五輪の準備が遅れているという指摘もある。

 こうした交渉ができるのは菅首相しかいない。どうか、国際オリンピック委員会(IOC)に働きかけてほしい。(日本維新の会代表、大阪市長・松井一郎)

関連ニュース

アクセスランキング

×