チベット自治区の「平均寿命延びた」報道、習政権の狙いにだまされるな 拓殖大ペマ教授「共産党の宣伝活動に過ぎない」 (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

チベット自治区の「平均寿命延びた」報道、習政権の狙いにだまされるな 拓殖大ペマ教授「共産党の宣伝活動に過ぎない」 (1/2ページ)

 ウイグルや香港などと並んで中国の習近平政権による人権抑圧が問題視されているチベット自治区で、「平均寿命が延びている」と、中国共産党の機関紙「人民日報」が報じた。唐突な感もある長寿報道について、チベット出身の政治学者で拓殖大教授のペマ・ギャルポ氏は「共産党をよく見せようという宣伝活動」と指摘した。

 人民日報は、最新の統計データとして、チベット自治区の平均寿命が71・1歳に達したと伝えた。2010年時点の推定68・2歳から2・9歳延び、全国平均を上回ったといい、その要因として、衛生技術者や医療施設の増加によって重大疾患を治療できるようになったとしている。

 ただ、ペマ氏は「事実であれば大変うれしいことだが、信憑(しんぴょう)性がない。知人に聞いてもそのような実感はない。医療施設が増えたというのも、人権侵害などないことを強調し、共産党をよく見せようという宣伝活動に過ぎない」と説明する。

 ペマ氏によれば、昨年1~7月までにチベット族約54万人が中国全土の工場などで強制的に労働させられたとする報告もあるという。

 中国政府は貧困対策を理由にしているが、チベット族の伝統的な生活も脅かされ、ラサ市など都市部では、漢民族の移住も年々増加しているという。

 今月4日には、在日のチベットやウイグル人らが会見を開き、人権弾圧の観点から、22年の北京冬季五輪の参加を見送るよう日本政府などに共同声明を発表した。

 日本で暮らす中国少数民族のウイグル族、チベット族、モンゴル族や香港人らが出席。約180の国際人権団体とともに国際オリンピック委員会(IOC)や各国政府に、開催取り消しやボイコットを訴えた。

 英BBC放送は昨年、ウイグル族などが目隠しされて列車に乗せられているようにみえる映像を公開したが、前出のペマ氏は、チベットでも人権侵害の実態は変わらないと話す。

 米国では昨年12月、チベット人権法が成立した。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の後継者の選定に介入した場合、制裁対象となるほか、ラサに米領事館設置を認めない限り、中国の新たな在米領事館設置を承認しないとした。

 中国によるウイグル族ら少数民族への対応に関しては「ジェノサイド(民族大量虐殺)」とトランプ前政権が認定。バイデン政権でもブリンケン国務長官が1月27日、「認識は変わっていない」と表明した。

関連ニュース

アクセスランキング

×