【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】野党などリベラル勢力はなぜ「相互監視社会」を怒らない? コロナ禍に昔ながらの国対政治に逆戻り…与野党とも同じ穴のムジナか - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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野党などリベラル勢力はなぜ「相互監視社会」を怒らない? コロナ禍に昔ながらの国対政治に逆戻り…与野党とも同じ穴のムジナか

 新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言のなか、与党国会議員が深夜に東京・銀座の高級クラブを訪れていたとして離党・辞任したのは、先週初めの話です。特に、松本純衆院議員が当初、「1人で陳情を受けていた」と説明していたのに、実は同僚議員ら3人で行っていたということも国民感情に火をつけました。

 目下、都市圏を中心に出されている緊急事態宣言は、拙欄でも何度も指摘していますが法的に行動を縛るものではなく、世の中に流れる空気によって国民の行動を変容させようというものです。

 そうしてつくり出された空気はギスギスしていて、相互監視の冷たい視線が世の中を覆っています。そんな息苦しさのなかで、憂さ晴らしに飲みに行くこともできずにストレスをためた人々に、「国会議員は別なのか? 特権階級か?」という思いが生まれるのは自然なことでした。

 今では、議員宿舎前に集まった報道陣が、午後8時を過ぎて帰ってきた議員に対し、「今まで何をしていたんですか?」「議員会館で仕事していたというアリバイはありますか?」と聞くまでになっているそうです。午後8時とは、飲食店への時短要請の閉店時間です。まるで学生寮の門限で異常な状況ですが、誰もこれを指摘しません。

 本来であれば、こんな世の中の空気、事実上の「自由を失いかけた相互監視社会」を、リベラル勢力こそ怒らなければならないはずです。まさに、「リベラル」を旗印とする野党の出番ではありませんか。

 しかし、その野党はむしろ、「緊急事態宣言を出せ!」「延長しろ!」「政府のやることは遅い!」と、自粛警察の跋扈(ばっこ)に拍車をかけるような言動を繰り返してきました。

 折しも先週は、新型コロナ対策の特別措置法、感染症法などの改正が可決・成立しました。これも拙稿で書きましたが、「私権の制限と権限行使の関係」に踏み込まず、有事と平時の切り分けも曖昧なままで、相変わらず空気で縛るかたちを残す格好になりました。

 表向き争点となっていたのは罰則を刑事罰にするのかどうかでした。これも、与野党で落としどころが決まっているかのように、与党側が高めの球、厳しめの罰則規定を提示し、それを野党側が反対して行政罰のかたちに落ち着きました。

 昔ながらの国対政治に逆戻りです。本来は、世の中の空気による事実上の私権の制限の是非などまで議論すべきだったのに、すでに国対間で取引してしまっているものだから、何も言えません。

 国会審議の中で、冒頭の件を引き合いに出し、「国会議員は上級国民と思われて迷惑している」と言った方がいますが、コロナ禍に平時の取引を平然と行うんですから、与野党とも同じ穴のムジナとみられているのだと思います。

 ■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6-8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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