【大前研一のニュース時評】コロナ禍で「東京一極集中」を変える分岐点なるか 企業のリースバック、テレワークや地方移住など「働き方」定着がカギ (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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コロナ禍で「東京一極集中」を変える分岐点なるか 企業のリースバック、テレワークや地方移住など「働き方」定着がカギ (1/2ページ)

 総務省が先月29日に発表した2020年の「住民基本台帳に基づく人口移動報告」によると、東京から出て行く人を示す転出者数が前年比4・7%増加して、40万1805人となり、比較可能な14年以降で最大になった。

 一方、東京への転入者は43万2930人と7・3%減少した。転入者は14年につぐ少なさだった。依然として転入者の方が多いのだが、転入から転出を引いた転入超過数は3万1125人となり、前年に比べ62%減と大幅に減った。

 進学や就職に伴う移動が多い3月には4万人超の転入超過だったが、新型コロナによる緊急事態宣言が出た4月以降は転入者が減少傾向になり、7月から12月まで6カ月連続で人口が減る転出超過が続いている。

 コロナ禍でいろいろなことが起こっているが、地方移住を希望する人が増えていることは、東京への一極集中を大きく変える「変化」といえる。

 不動産の分野でも異変が起きている。都心にある本社ビルを売却して、リースバックする会社は増えるだろう。リースバックは賃貸借契約付き売却のこと。物件を買い主に売却したあと、リース料(賃料)を支払って、そのままオフィスや倉庫として使い続ける仕組み。

 企業もリースバックの初年度は全フロアを借りるかもしれないが、実際に賃貸料が出ていくので2年後には2割減らし、3年後は3割減らし…となり、最終的には40%ぐらいのスペースにするはずだ。

 都心からオフィスが消え、在宅テレワークという働き方が定着してくると、寝るところと働くところを分けない人、住む場所を選ばない人も増えてくる。

 都心まで1時間ぐらいの通勤圏が理想的な住居だと思われていたが、さらに離れて温泉地である神奈川の湯河原、静岡の熱海、山梨の北杜、長野の軽井沢、佐久、富士見高原などでもよくなってくる。上越新幹線沿いでは群馬の水上や新潟の越後湯沢に注目が集まっている。

 東京から転出する人の受け入れは、近隣の神奈川、千葉、埼玉が55%も占めている。今後はその周辺部、北関東3県や長野、山梨への移転が進むだろう。

 逆に私が予想しているのは、東京の八王子市から日野市、多摩市、稲城市、町田市、神奈川の川崎市、そして横浜市。この多摩丘陵に住む人たちが定年退職後、貯金と退職金を使って都心の小さな部屋に移ってくること。

 1時間20分くらいの通勤が必要だったベッドタウンの多くはゴーストタウン化して寂しい。都心で散歩したり、催し物を見に行ったりする老後の生活スタイルならボケ防止にもなる、というわけだ。

 会社に通わなきゃいけないときに、苦労して1時間以上も通勤に使い、会社に通わなくてよくなったときに都心に入ってくる。こういった皮肉な現象が起こり始めており、東京都中央区が人口増加で全国1位になっている。

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