連載100回目に感謝! ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて
ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆さま!
私の連載「プーチンの国より愛を込めて」が、2018年11月の連載スタートから数えて、ついに今回で100回目を迎えることができました。読者の皆さまと夕刊フジの編集部の皆さまには感謝の言葉しかありません!
私自身、初めは夕刊フジ電子版だけの3カ月間程度の連載と聞いていましたので、その後に毎週のようにネット記事や新聞紙面となって長期間連載が続いていくとは、想像もしていませんでした。
この連載の機会を与えてくれたのは、私の日本人音楽パートナー、トモキヒラタでした。トモキの友人に夕刊フジの編集部の方がいて、彼と数年ぶりに再会したトモキが私たちの音楽活動とロシアでの体験談をその友人に話したことがこの連載の始まりでした。
音楽活動のために何度かロシアに来ているトモキですが、私が案内したエカテリンブルクの観光地の中で日本人の彼が特に衝撃を受けたのは、ロシアマフィアの墓地と対ナチス戦勝記念日のパレードを見たときだったといいます。
そのような体験をトモキが夕刊フジの友人に話したからなのか、最初の頃は編集部よりシリアや軍事に関するお話のリクエストがありましたので、その関連のお話をいくつか記事にしました。
シリアに関する物語のほとんどはすでに私の身近にあり、その対象者は若い人々でした。
パルミラでISに包囲され、孤立無援の中、最後は自分のいる場所に爆撃を要請して殉死した25歳の特殊部隊員の物語。
アレッポでの作戦中に婚約者を残して37歳で亡くなった陸軍中佐は私の姉の友人の物語でした。
死亡通知書だけで夫がシリアで亡くなったことを知り、その事実を受け入れられずに、いつまでも夫の帰りを待つ33歳のネイリストの記事は、私の友人の物語です。
こういった戦争の話はいつも悲惨です…。
それ以外にも、私が暮らすウラル地方は世界でも有名な超常現象のメッカですので、私の周りの人々が体験した不思議なお話もいくつかお伝えしてきました。でも、私がこの連載で本当にお伝えしたかったことは、市井の人々の生活や伝統など等身大のロシアです。
ソ連崩壊後、わが国は紆余(うよ)曲折を経て現在に至っています。おそらく、まだ紆余曲折は続くでしょうが、これからもさまざまなロシアのストーリーを読者の皆さまにお伝えしていきたいと思っておりますので、もうしばらくお付き合いくださいませ!
最後に、いつか日本に行ける機会ができたときには、自分の記事が載っている夕刊フジを買ってみたいです(笑)。
■ジュリア・ミント 1994年ロシア連邦バシコルトスタン共和国生まれ。エカテリンブルクの医科大を経て、現在は大学院で眼科学を専攻する傍ら、日本人コンポーザー・トモキヒラタと共にノーザンスタイル・ダンスミュージック・ユニット“Crystal Mint”を結成。シンガーとして、主にヨーロッパで活動中。特技は英語、腕立て伏せ。(crystalmint.info)
YouTube : https://www.youtube.com/channel/UC0sottqOcvDqpYRr5AX9PqQ
Website : https://crystalmint.info/
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