【zak女の雄叫び】「文系不要論」を吹き飛ばせ! 歴史学の最前線を紹介する雑誌「REKIHAKU」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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「文系不要論」を吹き飛ばせ! 歴史学の最前線を紹介する雑誌「REKIHAKU」

 「予算は削られるし、世の中からは不要と思われているし…」

 そんなボヤきを漏らしたのは、ある歴史学の研究者。いやいや、そんなことはないでしょう。歴史学だって、世の中のためになってるじゃないですか、と応じようとして、一瞬、口ごもった。確かに、歴史が実生活に役立つ場面ってあるだろうか。

 過去の人々の営みを知ることは単純に面白い。大河ドラマをはじめ、小説や映画の題材となり、歴史は心を豊かにしてくれる。そもそも文化とはそういうものだし、歴史学に実益を求めるのって無理なような気がするけれど、最近の国の姿勢はそうではないらしい。

 歴史学者が肩身を狭くしているのは、次のような動きがあったからだ。

 約5年前の2015(平成27)年6月、国立大学改革を進めていた文部科学省が各大学に、文系・教員養成系の学部・大学院の廃止を含む見直し要請を通知したことが話題となった。

 通知は、企業での理系人材需要の高まりや少子化に伴う教員の先細り傾向を背景に出されたものだったが、“文系不要論”が沸き起こり、社会に波紋が広がった。

 そんな世の中の動きに対し、もっと歴史学の必要性をアピールしなければと立ち上がったのは、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館。昨年10月、新たな歴史雑誌「REKIHAKU」を創刊したのだが、これが最前線の研究成果を紹介していて、興味深い。

 例えば、歴史研究に欠かせない古文書のくずし字を認識するシステムが開発されたという話。そこには生物医学で細胞や臓器の画像認識に用いられるAI技術が応用されているという。

 AIはくねくねした草書体を、内臓の血管に見立てて判断しているのだろうか。研究者のユニークな着眼点がイノベーションをもたらした好例のようにも感じた。

 先日、歴史学者らがつどったシンポジウムでは、「歴史学が防災に重要な役割を果たす」という話もあった。日本各地に伝わる古文書の記録を丹念に解読すると、地震や津波、山崩れや洪水など、その土地の記録が掘り起こされる。

 気象学や地震学といった理系の研究者が解明する災害のメカニズムに、歴史学者が読み解いた歴史的な記録を融合すれば、防災に有益な情報となる、という主張には説得力があった。

 2つの例からわかることは、文系と理系、その垣根を越えた交流が重要だということ。

 長い歴史をもつ日本だからこそ、歴史学者が活躍する舞台は広く、奥深い。「文系不要論」を吹き飛ばすような、新たな挑戦に期待したい。(し)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が本音を綴るリレーコラムです。

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