【日本の解き方】日韓首脳会談見送りの“元凶”国家間の約束破った韓国の文政権だ 日本は「戦略的放置」揺るがず - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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日韓首脳会談見送りの“元凶”国家間の約束破った韓国の文政権だ 日本は「戦略的放置」揺るがず

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、東京五輪の開会式に合わせて訪日することが検討されていたが、見送られた。

 菅義偉首相は、もともと日韓首脳会談について積極的ではなかった。本コラムに再三書いてきた通り、菅首相は官房長官時代の2015年、慰安婦問題に関する日韓合意で安倍晋三政権内で実質的に汗をかいて合意までこぎ着けた当事者でもあり、それが反故(ほご)にされた怒りは強かった。さらに、いわゆる元徴用工問題でも日韓請求権協定を破った韓国への不信感もあったのだろう。

 それが、6月13日に行われた英国での先進7カ国(G7)首脳会議において、日韓首脳会談について「労働者(元徴用工)問題と慰安婦問題は国と国との約束。そうしたものが守られていない状況でその環境にはない」という発言にもなっている。G7へのオブザーバー参加が許された韓国は、しきりに日韓首脳会談を求めていたが、菅政権では、日韓問題のボールは韓国側にあるので、韓国が解決策を提示すれば日韓首脳会談の意味はあるが、それなしで会談する必要性はないとしていた。

 このG7の対応について、韓国メディアから「略式の日韓首脳会談実施で暫定合意していたのに、日本が取り消した」とかの報道がなされたが、日本は否定した。韓国メディアの報道は首脳会談をやりたかった韓国政府からのリークであろう。

 ところが7月に入り、東京五輪が近づくと、再び韓国側は文大統領の訪日および日韓首脳会談を求めてきた。外交儀礼として、五輪開会式の招待状は各国政府に送付されており、形式的には日本からの招待だ。

 この韓国の動きに呼応したのは、自民党の二階俊博幹事長だ。7月14日、二階氏は、訪日していた「韓日議連」の幹部に文大統領の訪日を歓迎し、その実現に協力を要請した。

 韓国側が、日韓首脳会談を求めていた狙いは、日本の韓国に対する輸出管理の緩和だろう。しかし、慰安婦合意の反故や徴用工判決への不作為はそれ以前の話であり、まずそれらを韓国側が解決するのが筋だ。そうした解決なくして、日韓首脳会談なしという「戦略的放置」を日本政府は継続させている。

 東京五輪に際して、文大統領が訪日すれば、外交常識にのっとり「丁寧に対応する」としていたが、これは「戦略的放置」原則の中で、各国首脳との五輪外交と同様に儀礼的かつ短時間の首脳会談という意味だった。

 本邦メディアの中でも、日韓首脳会談の見込みを報じたものもあったが、「戦略的放置」を忘れたかのような内容だったのはいただけない。

 水面下での交渉では、最後の段階で在韓日本大使館の総括公使の不適切発言もあったが、これは些細(ささい)なことだ。国家間の約束を平気で破った文政権が元凶だ。文政権は残り9カ月余りの任期であるが、その後の新政権も、文政権の方針が継続されれば、戦略的放置は続き、日韓関係は良くならないだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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