【日本の解き方】首都高ロードプライシングは「感情的報道」より「客観的検討」を 五輪後にも常時稼働すべきだ - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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首都高ロードプライシングは「感情的報道」より「客観的検討」を 五輪後にも常時稼働すべきだ

 東京五輪とパラリンピック期間の日中、首都高速道路の料金が1000円上乗せされている。筆者は、仕事でよく首都高を使うが、19日に利用したところ、あまりに空いていたので驚いた。ほとんど渋滞なしで利用できた。

 首都高は19日から8月9日、同24日から9月5日までの期間、午前6時から午後10時まで、自家用車などを対象に通常料金に1000円上乗せし、午前0時から4時までは通常料金の半額にしている。

 これは、経済学でいうところの「ロードプライシング」である。渋滞などの緩和策の考え方としては、かなり以前からあったが、実施コストが高いために導入されないところも多かった。実施事例としては、ロンドン、シンガポールなどがある。日本でも電子料金収受(ETC)の普及に伴い、実施コストが低くなり、首都高や阪神高速道の一部で実施例がある。

 この件に関するテレビでの報道ぶりに驚いた。首都高と一般道が併走していることを上空から撮影、料金上乗せで首都高は空いているのに、一般道では混雑して迷惑していると言わんばかりだった。

 一般論として、首都高と一般道が併走している道では一般道の方が混雑していることが多い。首都高の入り口には、特定場所への所要時間と一般道での所要時間が書かれているので、料金に見合った時間短縮がなければ首都高を利用しない。ということは、首都高が混雑していれば一般道を使うし、首都高が混雑していなければ一般道を使わない人が多いのが普通だ。

 このため、首都高と一般道の混雑の比較について報道するなら、ロードプライシング以前とロードプライシング後の2つを比較しなければ意味がないが、筆者が見た限りではそこまでやっているところはなかった。客観的な検証ができず、感情的な報道しかできないことを図らずも白状してしまったような報道だった。

 さて、ロードプライシングは、混雑回避などの有効手段であるので、五輪・パラリンピック期間以外でも導入すべきだ。かつては徴収コストの関係から、首都高では距離に関わらず一律料金だったが、ETCの進捗(しんちょく)に応じて、2012年1月から距離別料金に移行した。さらに、混雑時間に応じて、割増や割引などのロードプライシングを常時稼働させたらいい。

 これには批判もあるだろう。かつて高速道を導入するとき、いずれ無料開放としていたが、ロードプライシングは方向性が違うというものだ。

 首都高の民営化時、2050年に無料開放するとしていたが、更新費用の高騰などにより65年に延ばされた。それまでの間、混雑回避などのためにロードプライシングを実施する合理性があるのだから、料金体系の多様化としてはいいのではないか。

 さらに、自動運転対応もあるから、料金徴収が延長となってもやむを得ないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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