【日本の解き方】五輪で重大視された人権問題、ホロコーストに強い拒否反応…どうなる中国「ジェノサイド」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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五輪で重大視された人権問題、ホロコーストに強い拒否反応…どうなる中国「ジェノサイド」

 7月23日に東京五輪が開幕した。連日の日本選手の活躍に大きな感動をもらっている。五輪中止を求める人たちは、そのようなスポーツが持っている感動を何とも思わないのだろうか。8月8日の閉会式まで、大いに楽しみたいものだ。

 ちなみに、本コラムにおいて、筆者は約2カ月前、五輪時の新型コロナウイルス感染者について「もし新たな波が来ても、100万人当たり25~38人程度(全国で3000~4500人程度)だろう」と書いた。7月24日の新規感染者は3574人、7日間移動平均で3903人なので、ほぼ当たっているといえる。

 筆者の予測は、これまでの4回の波でもほとんど当たっている。この程度の感染状況では、医療崩壊はほとんど考えられないので、しっかりした対策の上で五輪を行い、そのスポーツのもたらす感動を得ようという考え方だった。

 開会式をめぐっては、過去のいじめやホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に関する表現が問題視され、担当者が相次いで辞任、解任となった。

 過去のいじめ問題では辞任、ホロコースト問題では解任と、両者には差のある対応だ。どちらもあってはならない話だが、より後者のほうが重大と考えたのだろう。

 菅義偉首相は、ホロコースト問題での解任について問われると、「ご指摘の件については言語道断、全く受け入れることはできない」とし、大会組織委員会に対して「このことはあってはならないということですから、秘書官を通じてこれは受け入れらないということで対応した」と述べている。

 欧米では、ホロコーストについては公言するのもはばかれるほど、拒否反応が極めて強い。ホロコーストを行ったナチスの礼賛も御法度で、弁解の余地もない。

 特に、五輪では、1936年8月に行われたベルリン五輪が黒歴史になっている。ベルリン五輪前から、ナチスの人種差別政策は実施されていたので、欧米諸国のボイコットの動きもあった。しかし、ナチスは、一時的に人種差別政策を緩和し欧米諸国を懐柔しベルリン五輪を開催したが、その直後からホロコーストへの動きが加速されていった。

 来年2月には北京五輪が開かれる。現在の中国による新疆ウイグル自治区での人権侵害については、バイデン米政権や英議会下院が「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定している。自民党の外交部会でも、「中国自体が五輪憲章に反する人権侵害をしており、開催地変更を働き掛けるべきだ」という意見が出ている。

 今のところ、米英では選手団の派遣を中止するのではなく、政府閣僚などを参加させない政治・外交的なボイコットをすべきだという意見が有力である。そうした動きに対し、人権侵害の事実はないと中国は反発している。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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