【日本の解き方】かけ声ばかりのコロナ対策 医療や補償の予算も未消化 ワクチン接種急ぐしかない - zakzak:夕刊フジ公式サイト

記事詳細

かけ声ばかりのコロナ対策 医療や補償の予算も未消化 ワクチン接種急ぐしかない

 現状の新型コロナウイルス感染は50代以下が大半で、入院患者数は増えているが死者や重症者は大きく増えていないという状況だ。東京都は緊急事態宣言下にもかかわらず目立った人出の減少はみられていないが、どのような対策が望ましいのか。

 筆者が理想としているコロナ対応は以下の通り。まず、一定期間後(例えば2カ月後)の新規感染者数、重症者数を予測する。そこで、現時点の医療キャパシティーで、病床数などで対応できるかどうか判断する。

 もし対応ができない場合、まず「供給」対策として医療資源の増加を試みる。公立医療機関であれば直接的な予算措置が必要だし、民間医療機関でも間接的な助成措置が必要となるので、その適否を検討する。

 供給対策ができないのであれば、「感染」対策として、感染者数の増加を抑制するために、人々の行動規制を考える。この場合も、何ら対策をしないで行動規制だけに依存するのではなく、「3密」を避けるために諸施策を組み合わせて実施する。

 以上が基本であるが、感染症の増加はある時点から指数関数的になるので、そうなったら「供給」対策は意味を持たなくなる。その意味で将来予測が極めて重要だ。

 しかし、今の日本の対策を見ていると、まず将来予測でとんでもない数字が出て人々の不安をあおり、その結果、供給対策に意味はなく、感染者数の増加を抑制するために、人々の行動規制を「自粛」という形で政府が要請する。その中で、決定的なエビデンスがあると思えない飲食・旅行規制を、業者に対する規制の形で行ってきた。

 実際、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」は約1兆5000億円の予算措置がなされたが、その多くは未消化だ。飲食・旅行規制での業者への代償として、地方自治体の協力金の財源となるはずの「地方創生臨時交付金」は約4兆5000億円も予算措置がなされたが、これもかなりの部分が未消化になっている。

 これらの未消化については、実務的にできなかったとされているが、官僚が裁量的に支出を渋ったのかどうかを含め原因をしっかり究明する必要がある。

 要するに、予算では供給対策も業者規制への補償も手当てされていたが、それらがあまり実行されずに、人々への行動規制という「かけ声」ばかりが行われたというのが実態だ。

 こうしてみると、政府のコロナ対策が、前提となるべき科学的な予測がないので、それに基づく供給対策も業者規制に対する補償も行われない中身のないものであったことが分かる。

 この中で、かろうじてうまくできているのがワクチン接種だ。ワクチン接種は海外の例でも、コロナの感染者数を減少させ、特にその中でも重症者数や死者を減らし、医療崩壊を防ぐ。今となっては、ワクチン接種を進めていくのがベストの策だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース

アクセスランキング

×