【昭和のことば】「身も蓋もない」ひと言に寅次郎がつぶやく…「それを言っちゃあ、おしまいよ」(昭和52年) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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「身も蓋もない」ひと言に寅次郎がつぶやく…「それを言っちゃあ、おしまいよ」(昭和52年)

 日本人の「こころのキャラ」、ご存じ車寅次郎の名ぜりふである。

 名優、渥美清が生涯をかけて演じた映画『男はつらいよ』シリーズは、もはや説明するまでもないだろう。これは、「とらや」で起きる恒例のけんかの際に飛び出ることば。

 世の「ハズレ者」として、どこか(本音を隠したような)「演劇的な」振る舞いを演じざるを得ない寅次郎と、それを取り巻く、とらやのみんな。ポロッと飛び出る「身も蓋もない」ひと言に寅次郎はつぶやく。それはとても寂しそうに、そしてユーモラスに。シリーズ中、何度も出てくることばだが、ここでは、確実に確認が取れ、寅さんも乗りに乗っている昭和52(1977)年の第19作『寅次郎と殿様』を挙げておく。

 この年の主な事件は、「東京・品川で、青酸コーラ無差別殺人事件発生」「ロッキード事件、丸紅ルート、全日空ルート初公判」「たばこ『マイルドセブン』発売」「初の静止気象衛星『ひまわり1号』が打ち上げ」「プロ野球巨人の王貞治が通算756号本塁打達成、国民栄誉賞受賞」「米海兵隊ジェット偵察機、横浜市緑区の民家に墜落」「日航機が日本赤軍にハイジャックされ、ダッカ空港に強行着陸」「社会市民連合結成(代表・江田五月ら)」など。

 山下泰裕が19歳の最年少で柔道日本一。樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権初優勝。映画『幸福の黄色いハンカチ』『八甲田山』、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』などがはやった。

 それを言っちゃあ、おしまいよ。寅さんが教えてくれた。そう、世の中は嘘と寝たふりがあるからやってられる。 =敬称略 

 (中丸謙一朗)

 〈昭和52(1977)年の流行歌〉 「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)「北国の春」(千昌夫)「勝手にしやがれ」(沢田研二)

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