【勝負師たちの系譜】棋戦の協賛社 藤井聡太二冠をはじめスター出現で続々と増加 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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棋戦の協賛社 藤井聡太二冠をはじめスター出現で続々と増加

 「将棋のプロは、どこから収入を得ているのですか」と聞かれることがある。

 将棋界は長い間、新聞社によって支えられてきた。日本将棋連盟が新聞社と棋戦契約をし、新聞社は棋譜を掲載するという形態で、何十年も続いてきたのだ。

 戦前から戦後の高度成長時代までは、囲碁や将棋欄は新聞社にとって読者サービスと共に、新聞の販売促進に必要なものだったと思う。

 しかし30年くらい前から、新聞社の担当者に「もう新聞社が支える時代ではなくなったよ。将棋界も他を探さないと」と言われるようになった。

 そこで協賛社を募ることになるが、最初は女流棋戦ばかりだった。

 女流名人戦は報知新聞社主催で、ユニバーサルエンターテインメント社が協賛だが、第42期(2015年度)から冠を社名でなく、同社が持つ美術館に変更し、『岡田美術館杯』となった。

 また女流王将戦は何回か主催紙と協賛社が変わったが、現在は『霧島酒造杯』となり、有料放送の「囲碁将棋チャンネル」で放映される。

 タイトル戦の3番勝負第1局は、地元宮崎県都城市の霧島酒造内で行っている。

 また女流棋戦では、倉敷市自らが主催の『大山名人杯倉敷藤花戦』、社名が棋戦名の『マイナビ女子オープン』、同じく『YAMADA女流チャレンジ杯』がある。

 また後発だが最高棋戦として創設された『清麗戦』は、第3期から冠が『大成建設杯』となり、元のスポンサーはさらに大型(優勝賞金1500万円)の『ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦』を立ち上げた。

 男性棋戦では、協賛社として名人戦の「大和証券」、竜王戦の「野村証券」があり、叡王戦は主催が「不二家」、特別協賛を「ひふみ投信」「SBI証券」が務める。

 また冠となっている棋戦に『ヒューリック杯棋聖戦』、『お~いお茶杯王位戦』(伊藤園)、『ALSOK杯王将戦』があり、タイトル戦ではないが『将棋日本シリーズJTプロ公式戦』は、今回42期の長きにわたる。

 後、協賛社のいないタイトル戦は、女流では「女流王位戦」(新聞三社連合)だけ。男性棋戦では「棋王戦」(共同通信社)だけで、共に先着1名様のみということになる。

 協賛社が増えたのは、藤井聡太二冠をはじめとするスターの出現と、将棋界の話題性が増えたということで、喜ばしいことと思う。

 ■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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