【昭和のことば】原子炉がメルトダウンを起こした深刻な状態を誇張したことば チャイナ・シンドローム(昭和54年) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

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原子炉がメルトダウンを起こした深刻な状態を誇張したことば チャイナ・シンドローム(昭和54年)

 現代ではあまり歓迎されないことばであろう。「チャイナ・シンドローム」とは、原子炉がメルトダウン(炉心溶解)を起こした深刻な状態を誇張したことば。アメリカでメルトダウンを起こせば、溶解物が格納容器や建屋のみならず、地殻を突き破って(アメリカにとって)地球の反対側にある中国にまで到達するという一種のブラックジョークである(正確な位置関係ではない)。

 この年、同名の(原発事故を扱った)映画が公開され、それを機に「メルトスルー」の意味としてこのことばが使われだした。

 この年の主な事件は、「初の国公立大学共通一次試験実施」「第2次石油危機始まる」「大阪市住吉区の三菱銀行北畠支店で人質事件発生」「ガソリンスタンドの日曜・祝日全面休業開始」「第5回先進国首脳会議(東京サミット)開催」「東名高速道路日本坂トンネルで玉突き衝突事故発生。7人死亡、173台が炎上」「千葉県君津市の神野寺で虎2頭が逃走」「上野動物園のパンダ、ランランが死去」「成田空港でKDD(国際電電)社員による高級ブランド品持ち込みが発覚。KDDの乱脈経理追求へ」「国鉄のリニアモーターカー、走行テストで時速504キロを記録」など。

 スポーツでは、江川卓投手が巨人軍に入団決定。ソニーの「ウォークマン」が発売。街ではヘッドフォン姿の若者が見られるようになった。

 ことばの選び方が慎重になった。チャイナ・シンドロームは過去の遺物だ。悪い印象付けには何も意味がない。人でも国でも、憧れや尊敬をことばに残す。それが待つべき時代の変化なのだ。 (中丸謙一朗)

 〈昭和54(1979)年の流行歌〉 「魅せられて」(ジュディ・オング)「おもいで酒」(小林幸子)「ヤングマン」(西城秀樹)

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