打率爆上げも…巨人・長野の表情さえないワケ 「帳尻のチョーさん」の真価が発揮されるのか
例年通り気温の上昇とともに数字を上げてきた巨人・長野久義外野手(32)だが、重大な悩みが解消されていない。
球宴明けの17日の中日戦(ナゴヤドーム)で長野は1回、フルカウントから直球を狙い澄まし、左翼席へ9号先頭打者本塁打。「いい流れを作るためにも、塁に出ることを心がけていた」という選手会長が鳴らした号砲に乗せられ、打線は5点を奪い快勝につなげた。
高橋監督は「ベンチも勢いづき、スタートとしては最高の形になった」とたたえたが、試合後の本人は「やっぱり、後の打席がよくなかったんで…」と言葉少な。2併殺を含む4打席凡退に表情は晴れなかった。
それでも絶不調にあえいだ春先とは別人だ。5月17日終了時点で打率・189、1本塁打、2打点。それからちょうど2カ月で・277、9本、21打点と爆上げだ。
近年はスロースターターから夏場以降に打ちまくり、最終成績は帳尻が合うサイクルが定番化。今夏もやはりの復調気配に、報道陣から「実は球宴休みがほしくて、投票の締め切りまでおとなしくしているのでは?」と疑惑をぶつけられると、「当たり前じゃん」とウソとも本気ともつかない返答でけむに巻く。
ただ今季はまだ“梅雨明け宣言”まで至らず。とにかくチャンスに弱い。9本塁打のうち実に8本がソロ弾。本塁打を除く適時打は、6月16日のロッテ戦(東京ドーム委)が最後で、1カ月以上のご無沙汰である。
得点圏で・167の低打率のままでは、昨季の自己ワースト42打点を更新しかねない。ここから走者を置いた場面でも、「帳尻のチョーさん」の真価が発揮されるのか。(笹森倫)