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山根会長辞任で“ノーガード戦法”敗れたり!

 日本ボクシング連盟の山根明会長、とうとう辞任しましたね。一連の言動を見る限り、辞めないと思っていたのですが、最後は奥さんの助言で、決心したそうです。こういうコワモテの人は、家族のことを喋らないのですが、そこはファミリーを愛する男・山根明。ダテに携帯電話の着信音を「ゴッドファーザー愛のテーマ」にしてませんぞ。

 この10日ほどは、日本のマスコミは山根明祭り一色でした。山根会長の何が凄かったのか? それは、333人もの関係者や部下が連名で告発しているのに、ひとりで立ち向かったことです。普通なら精神的に参って、引きこもるでしょう。よく日大の田中英寿理事長と比較されますが、だんまりの田中理事長より、テレビで反論する山根会長の方が男気あります。内容はともかくですけど。

 山根会長のメンタルの強さは尋常じゃないです。サンドバッグ状態でボコボコに攻撃されているのに、意に介していません。これは、伝説のボクシング漫画「あしたのジョー」に登場する「ノーガード戦法」の再来でしょうか。両手をだらりと下げて、無防備の力石徹は、不気味な笑みを浮かべながら、ジョーに打ってこいと促します。

 それと同じで、マスコミの追及に対し、山根会長は全くの無防備で応戦しました。非を認めるところは認め、話をはぐらかすところはトボけて、勘違いは永遠に平行線のまま、喋りまくる姿は、感動さえ覚えます。

 反社会勢力とのつきあいも認めつつも、自分は元愚連隊だから、ヤクザじゃないと。

 成松大介選手への助成金問題も、160万円を振り分けることはいけないと分かった。そこで息子から貰ったロレックスを売って、お金を工面して補填(ほてん)したと、浪花節が炸裂。論点が違いますが、話としては面白く、ケムに巻かれた感が漂います。

 そして笑えるのが、究極の言わせたがり屋さん。「山根会長のおかげで、試合に出られます」と選手宣誓で言わせないと気が済まない。これはぜひ、山根会長のプライベートを覗いてみたいです。若い頃は「山根会長のおかげで気持ちいい」って、女性に言わせていたのかもしれません。

 山根会長は義理と人情に厚く、スポーツやフェアプレーという概念を持ってなかった。東京オリンピックに、ボクシングは出られないかもと、それはあんたのせいやって。「辞任した山根、行ける選手を辞退させる」って、もう無茶苦茶やねえ。

 ■木村和久(きむら・かずひさ) コラムニスト。本連載と日刊SPA!の連載をまとめた近著「50歳からのかろやか人生」(雷鳥社)が発売中。

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