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まさにケタ違い! 欧米プロスポーツチームの売買事情

 ■NFL・シーホークス3390億円で売却か

 マイクロソフトの共同創業者であるポール・アレンさんが先月亡くなったことに伴い、アレンさんが保有するプロスポーツチームが売りに出される可能性が取り沙汰されている。

 NFLのシアトル・シーホークス、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズ、そしてMLSのシアトル・サウンダーズの3球団である。とりわけ価値が高いのがシーホークスで、その買収価格は30億ドル(3390億円)を超える可能性があるという。そうなれば、アレンさんが同球団を1997年に買収したときの価格(1億9400万ドル)の15倍以上となる。「へ~」としか言いようがない、価格も倍率もケタ違いの遠い世界の夢物語だが、欧米のプロスポーツチームは頻繁に売買され、そのたびに価格が上昇している。

 たとえばMLB(米大リーグ)では、その歴史において105の球団売買が行われており、2000年代以降に限っても30球団中20球団が売買され、1990年代以降、売却価格は必ず買収価格を上回っている。プロ野球球団のオーナーという夢をかなえたうえにもうかるというのだから、これはたまらない。有名なのが、ジョージWブッシュ率いる投資集団がレンジャーズを買収したとき(89年)の価格が、その9年後には3倍で別の投資家に売却されたことから、ブッシュが社長を勤めても資産価値が上がるMLB球団は金の卵であるという神話が形成されたという。

 クラブが所属する地元の篤志家や、場合によっては有志市民連合によって保有・経営されてきた欧州サッカーチームにおいても、サッカービジネスの商業化やグローバル化に伴う資金力の増強が必要になる中、転売が活発になっていった。その先駆けが、83年のトッテナム・ホットスパーズの株式上場で、同クラブは市場から資金を募った。株式上場には、財務情報の公開が求められ、個々の契約に関するさまざまな守秘条項が太陽の元にさらされるのは、クラブ側からすると必ずしも歓迎ではないが、経営の健全化や情報公開がなされることでもあり、転売先の可能性を地球規模に広げる先駆けとなった。

 実際、その後、2003年にチェルシーをロシアの富豪が買い、株式上場していたマンチェスターUは05年に、アメリカ人投資家がTOB(敵対的買収)によりオーナーとなった。

 わが国においては、プロスポーツチームの売買は、「身売り」「手放す」といったネガティブな印象を持たれがちであるが、今年はZOZOのNPB(日本野球機構)球団買収は難しそうだが、ライザップがJ1湘南を、サイバーエージェントがJ2町田を買収するなど、球団売買が相次いだ。これが潮目の変化なのか、たまたまなのか、今後を注視したい。(元ロッテ投手、江戸川大学教授・小林至)

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