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“スポーツ後進国”日本が変革する起爆剤とは

 夕刊フジの読者のみなさま、あけましておめでとうございます。スポーツをビジネスの観点からつづる本連載も、ありがたく5年目を迎えることができました。ひとえに読んでくださる方がいるからです。本年もお付き合いのほど、何卒よろしくお願いします。

 さて、日本のスポーツ産業にとって、2019年は大事な局面だ。日本を除く先進国では、スポーツは巨大な産業へと成長したが、日本ではそうなっておらず、欧米と同じように、経済的に豊かでスポーツを愛する先進国でそんな周回遅れの状況がいつまでも続くはずがない、必ずどこかで後れを取り戻すはずだ、そう言われながら、一向にそうならないというくだりは、本稿で何度か記した。そんな雌伏の時に終止符を打ち、そのポテンシャルを解き放つ爆発力を秘めたイベントが控えているのが今年である。

 その先陣を切るのが、大学スポーツ協会(UNIVAS)の創設だ。高校スポーツには高体連、経済界には経団連、農業者には農協など業界を振興する中央統括団体が必ずあるものだが、大学スポーツにはこれまでなかった。大学スポーツが自主自立の課外活動をモットーにしてきたことから、大同団結の機運が生じることがなかったのがこれまでだが、スポーツ庁の設立などが契機となって、アメリカのNCAAをモデルに検討が重ねられてきた。私自身が3年前の原案作りから、本件に深く関わってきたから言うわけではないが、大学スポーツには大きな潜在力があり、UNIVASがプラットホームとして、そのチカラを集約させることができれば、日本のスポーツを変革する起爆剤になれると思う。

 もうひとつが、本年のラグビーワールドカップを皮切りに、東京五輪、ワールドマスターズゲームと、大規模な国際スポーツ大会が3年続けて日本で開催されることである。欧米でスポーツが大きな産業となったのは、エンタメ・コンテンツとしての価値の向上が原動力である。ゴールデン・スポーツ・イヤーズといわれるこの3年間に、競技施設を感動創出空間としてなるべく整備して、その感動を媒体を通じて広く伝えるためのマーケティングが磨かれれることを期待したい。

 こうして成長の入り口にようやく立とうとしているわが国に対して、世界のスポーツ産業は異次元への入り口に立っている。アメリカで解禁となったスポーツ・ベッティングである。インターポール調査によれば、その市場規模は、合法非合法を合わせると330兆円という日本のGDPの6割に相当する巨大産業であるが、紙面が尽きた。このスポーツ・ベッティングについては、また稿を改めて考察してみたい。(小林至 元ロッテ投手、江戸川大学教授)

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