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稀勢の里、引退 散り際見失った人気横綱 前夜、親方に申し出 (1/2ページ)

 初場所初日から3連敗を喫した横綱稀勢の里(32)が4日目の16日、現役を引退することを明らかにした。師匠の田子ノ浦親方が同日朝、東京・江戸川区の同部屋で明らかにした。和製横綱として人気を誇り、再三の引退危機を引き延ばしてきたが、最後は対戦相手にも気を使われる惨状。引き際を見失い、最後まで見せ場をつくれないまま土俵を去ることになった。(塚沢健太郎)

 この日、田子ノ浦親方は神妙な表情で部屋前に姿をみせた。「今日で稀勢の里は引退します。本人が決めた。理由は聞かなかったけど、全力で相撲を取っていたが思ったように取れていなかった。横綱ですから結果を出さなければならない」と集まった報道陣に引退の決断を明らかにした。

 田子ノ浦親方は前日の深夜に、稀勢の里本人から『引退させてください』と告げられたという。

 3日目(15日)の相撲は誰の目から見ても苦しかった。東前頭筆頭の栃煌山(31)に寄り切りで敗れ、初日から3連敗。先場所に続いて稀勢の里を破り、連続で金星を挙げた栃煌山は複雑な心中を吐露していた。

 「勝負なので。年は一緒ですし、意識するし、気合は入ります」と言いながら、現状の稀勢の里の印象を聞かれると「何て言うか…。自分もずっと(状態が)同じということはないですから。周りは気にしないようにしました」と答えづらそうな様子。

 稀勢の里の状態は見てのとおりだたが、まさか崖っぷちの横綱を「弱い」と評するわけにもいかない。

 同門で、横綱昇進の際には雲竜型の土俵入りを指導した芝田山広報部長(元横綱大乃国)もバッサリ。「横綱としてこの相撲は厳しい。花道に入る時から『行くぞ』という目の光がない。本当に申し訳ないが、誰にも勝てないのではと思ってしまう」と厳しかった。

 阿武松審判部長(元関脇益荒雄)も「もう体が、相手のスピードに反応していない。一生懸命やろうとしているんでしょうけど。(今後は)厳しいと思います」と指摘していた。

 3連敗の打ち出し後、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋前には報道陣60人が集まり、交通整理のため警官3人が出動。その光景をニコニコ動画が生放送するなど、ドタバタ劇が繰り広げられた。

 稀勢の里は両国国技館から田子ノ浦部屋に直行。午後8時半まで約1時間半滞在し、田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)と進退について話し合ったものとみられる。

 相撲ファンもさすがに失望は隠せない。稀勢の里の復活を祈る声も盛り上がらなくなっていた。

 稀勢の里が土俵に上がれば大歓声が巻き起こり、横綱土俵入りでは無数のフラッシュを浴びていたが、NHKが中継した幕内後半戦のテレビ視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は初日が17・1%(瞬間最高21・8%)、2日目が17・9%(瞬間最高23・3%)。

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