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全柔連、女子選手にまで「ゴジラジャパン」はないでしょ…

 「私、なでしこジャパンに選ばれちゃった」

 サッカーの女子選手が日本代表に呼ばれたら、周囲に喜々として報告するだろう。愛称のなでしこが広く浸透しているから誰でもわかる。

 柔道の女子選手が代表入りして「私、ゴジラジャパン入りしたわ」なんて言ったら、周囲は「なんじゃ、そりゃ」と仰天するのではないか。

 「ゴジラジャパン」とは全日本柔道連盟(全柔連)が、日本代表選手団につけた愛称。男子だけならわかるが、女子も共通とか。

 愛称の草分けとして大成功した「なでしこジャパン」(サッカー)をはじめ、「おりひめ…」(ハンドボール)、「さくら…」(ホッケー)、「フェアリー(妖精)…」(新体操)「スマイル…」(アイスホッケー)。主に女子の団体球技を中心に代表チームはジャパンと合体した愛称花盛りだ。

 いかにも女子らしく、かわいい愛称で親しみやすい。ならば認知度アップに柔道もという狙いもわかるし、「柔道もゴジラも日本発祥で力強いイメージが共通する」とのとってつけたような理由も、うなずけなくもない。とはいえ、いくら格闘技とはいえ女子に「ゴジラ」はいくら何でもかわいそうではないか。

 全柔連では以前から国内外の選手の試合映像を分析するシステムを「Gold Judo Ippon Revolution Accordance」(金、柔道、一本、革命、調和)の頭文字から「ゴジラ」と呼んでいた。

 ゴジラの商標をもつ東宝がそのことを知り、昨夏コラボを提案し実現したという。19日の発表会見では、男子代表の井上康生監督が着ぐるみのゴジラと組み合って写真に収まるなどPRに努めた。

 女子代表の増地克之監督も出席。「初めは女子には不相応かと思ったが、選手もゴジラの強さを崇拝していた」と、あまり気乗りしないようなコメントだ。

 愛称を決めた先日の全柔連理事会でも「ゴジラは礼儀正しいのか?」「破壊し尽くすゴジラのイメージは、柔道が目指すものと違う」などと異論が続出したという。

 「マーケットリサーチを行い、影響を見極めてからにしては」との正論も出て異例の採決にもつれ込み、22人の理事のうち反対が8人いたという。2人いる女性理事が反対だったというのも当然かもしれない。

 12年ロンドン五輪女子57キロ級金メダルの松本薫は野性味あふれる攻撃から「野獣」と呼ばれた。怪獣とまではいかないが、松本にあやかって「野獣ジャパン」の方がまだいい。そもそも、柔道に愛称などいらない。そんなにつけたいのなら、シンプルに「黒帯ジャパン」でどうだ。(作家・神谷光男)

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