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阪神・山本昌臨時コーチの巧みなトーク “競馬ネタ”で若手とコミュニケーション

 「時間が限られている中、みんな(自分の方から)聞きに来てくれるのは非常にありがたい」

 阪神の高知・安芸秋季キャンプで、中日OBの山本昌臨時投手コーチ(54)の存在感が際立っている。

 第2クール初日の5日もブルペンで藤浪、飯田ら伸び悩む若虎を指導。40代前半の福原、安藤両コーチが後ろでそれを“見学”する光景がお決まりになりつつある。

 矢野燿大監督(50)にとっても山本氏は、プロ入り後最初のキャンプを同室で過ごした仲で、自身の愛称「テル」の名づけ親でもある。「実績のあるなしに関わらず、差をつけずに指導してくださる」と最敬礼。当初、中日ひと筋32年の山本氏の招聘には賛否両論があり、「そもそも来てもらえるかどうか」との迷いもあったが、「本当にお願いしてよかったよ」と胸をなで下ろしている。

 山本氏が今キャンプ中、特に時間を割いて指導しているのが、今季0勝に終わった藤浪。この日もブルペン投球後にキャッチボールを見ながら指導すべく、あらかじめ球数を控えるよう指示。負担をかけずに力を引き出すスタイルに、藤浪も「まだまだですが、(アドバイスされたことが)できつつある」と手応えを口にしている。

 トーク術も、これがプロで最初の指導経験とは思えないほど巧みだ。3年目の小野泰己(たいき)投手(25)とは「“タイキ”の名前はブリザードから? それともシャトル? どっちから取ったの?」と大好きな競馬にかこつけてコミュニケーションを取っている。「まあ、プロに入れたし命名通りだね」「解説者1年目のときから推し選手で、ずっと名前を出して期待してたんだよ!」と続けた。

 現役引退後すでに4年が経過。これまでも指導者としてユニホームを着るチャンスはあった。若手時代にドジャースへ野球留学した際に出会った故・アイク生原さんの娘婿がフロントに在籍する、米大リーグ・パドレス傘下チームからは臨時コーチ就任のオファーが複数回あったが、いずれもスケジュールの都合で断念。それだけに、阪神からの依頼には「相当喜んでいた。来春のキャンプで再び呼んでもらえるよう頑張っている」(球界関係者)という。

 注目度の高い阪神だけに、今キャンプでの評判は、今後の山本氏の指導者としての野球人生を大きく左右しそうだ。「来季、阪神の投手陣が軒並み好成績なら、山本氏の評価は一気に上がり、他球団からもお呼びがかかる可能性が高い」(前出関係者)

 「寝る前も、頭の中には選手の投球フォームがグルグル回っているよ」と苦笑する山本氏の手腕が今、問われている。(山戸英州)

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